シモバシラ
文字数 254文字
今朝も霜柱が立つ。細長い氷が集まって土を持ち上げ、空にむかって伸びていく。至るところが朝日の光を反射し清らかに輝く。陰っている部分も青みがかってまた美しい。氷の柱それぞれのなかに、人影に見えるものが入っていて動かない。皆、夢を見ているのだろうか。そんな人影ごと霜柱を容赦なく踏みつぶし、無邪気に歩んでいくもっと大きなものがある。巨大すぎて、わたしにはその姿がよくわからない。けれどもわたしは、自分もその何かの体の一部になっているらしいと感じている。いつそうなったのだろう。わたしも霜柱のなかに入りたいのに。
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