ツミ
文字数 338文字
天のふんが溜まったような泥土の上を永いこと這い回っている。誰であったか、泥水を啜って生き逞しくなれとわたしに命じたのは。この悪臭ただよう湿った場所も聖地の一部であるはずなのに、わたしに向けられる目のなんと冷たいことよ。光を飲み清風を吸って健やかに立つ人たちがいる一方で、わたしは泥土に一日を暮らす。だまされたという思いに恨みより羞恥心が膨らむ。わたしはますます泥にもぐり、自分には生まれもった大きな罪があるのだと思いこもうとする。その罪の物語は泥湿地よりも大きく広がっていく。知る者がいれば、思いがけないところに花畑があったと感嘆するだろうが、どのような天使が、臭い泥のなかにまで気を回してくれると言うのか。わたしの創作した罪はいずれ泥の量を増し、次に泥の上を這う人を待つ。
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