私が実際に構築した「リアルサウンドオーディオ」のスピーカー 2
文字数 2,258文字
それで4306の魔改造が始まったのですが、そんなことをするとハーマンさんの保証は受けられなくなります。だけど保証期間はとおに過ぎていましたから、まあ、これは自己責任です。
それでまず、3Wayネットワークを購入しました。これはMonacorのDN200というネットワークで、音楽信号を600Hz以下、600~3500Hz、3500Hz以上の3つに音域に分けることが出来るものです。この場合、周波数の境目を「クロスオーバー」といい、そうするとクロスオーバーは600Hzと3500Hzということになります。
大きなネットワークなので、スピーカーの後ろ側に取り付けました。ところで前にも言いましたが、ネットワークとはローパスフィルターやハイパスフィルターの集合したものです。ちなみにDN200というネットワークは1個で2万円近くと高価で、400Wの耐入力があり、プロ用です。随分張り込んで上等なネットワークを入れたものです。左右で4万円ですから!
それで、4306の低音用(白いスピーカー)には、それまで3200Hzまでだったのを、600Hz以下を担当してもらうことにしました。つまり600~3200Hzからは「手を引いて」いただいたのです。この音域こそ、20cmの低音用では分割振動で音を出す領域です。だから得意な(はずの)50~600Hzに専念してもらうことにしたわけです。
それでこの50~600Hzという音域は、ベースの少し高めの音とその倍音、チェロ、ビオラの低い部分、男性ボーカル、ドラムスの低めの音、ティンパニーなんかが含まれます。そしてその上の分割振動で出しているであろう音域はカットされるため、この部分での歪みを含んだ音は大幅に減少します。
かくして4306の低音用スピーカーは、耳を近づけるとなかなか綺麗な音、つまり歪み感の少ない音のみを出すようになりました。ちょっと地味かもしれませんけれどね。
ただし50Hzから600Hzを担当ですので、3オクターブの法則を完全には満たしていません。でも50Hzから3200Hzを担当するよりは、はるかにいいです。それに、このJBLの低音用スピーカーの中音域は結構好きだったので、多少なりともそれを残したいという気持ちもあったのです。
そしてその上の600Hzから3500Hzには、バイオリン、ビオラの高い部分、木管楽器、金管楽器、女性ボーカルなどが含まれています。オーケストラはもちろん、ジャズでもポップスでも、きわめて重要な音域です。
それでこの音域のために、やはりMonacorのSPH30という8cmのフルレンジスピーカーを購入しました。このサイズのフルレンジスピーカーとしては約1万円と高価で、ほぼ最高級品です。振動板にケブラーを用いてあり、超軽量高剛性です。そして8cmという口径ならば、600Hzから3500Hzという音域は最も得意とするところです。だから「水を得た魚」のようないい音がします。
この音域でSPH30が分割振動しているのかは厳密には分かりませんが、JBLの20cmスピーカーの600Hzから3500Hzよりは随分歪み感の少ない、それでいてすかっとした音が出ます。特にバイオリンは素晴らしい音になりました。これでイムジチの第一バイオリンの演奏を聴くと、演奏の現場にいるのでは?と思うほどリアルな音が出ます。演奏後、我が家の床に松ヤニの粉が散っていないか心配になるほどです。
さてそれで、そのまた上の周波数ですが、ひとまずJBLのホーンスピーカー(トゥウィーター、ラッパのような大きくて四角いやつ)を、4306のハイパスフィルターをそのまま使い、3200Hzから上で当面そのまま鳴らしていました。そうすると3200Hzから3500Hzは音域がだぶってしまいますが、この程度は誤差の範囲で大した問題ではありません。
だけどその後、FOSTEXのFT28Dというドーム型の高音用スピーカー(トゥウィーター)を付け加え、DN200(ネットワーク)の高音用に接続しました。そうするとFT28Dは3500Hzから上を担当することになります。
ところで個々のスピーカーユニットは、同じ電圧をかけても同じ音量が出るわけではありません。スピーカーの能率が異なるためです。だからそれを調整するために、アッテネーターというボリュームのような物を付けて、個々のスピーカーの音量を調整します。
それで、JBLのホーントゥウィーターと、FT28Dはほぼ同じ音域で鳴る訳ですので、これらをどういう比率で鳴らすといいのかを、いろいろと試行錯誤しました。
JBLの四角いラッパ型スピーカーはJBLらしい華々しい音で鳴る一方、FT28Dは繊細で純粋な音で鳴ります。つまり全然キャラが違うのです。
そして試行錯誤の結果、概ねJBLのホーンが4、FT28Dが6という割合で鳴らすのが、一番私の好みに合っていました。FT28Dのみで鳴らすと何だかお上品な音になって、それにJBLのホーンの音を程よく加えると、4306の生き生きとしたキャラクターが残る感じなのです。
これは前述のアッテネーターを使い、実聴上で決めたものです。つまり概ね、JBLが5dBダウン、FT28Dが4dBダウンで鳴らすわけです。ええと、3dBダウンで音が半分、6dBダウンで音は四分の一になります。
一応これで低音から高音まで設定出来たわけですが、残りは「超低音」です。これはサブウーファーを使いました。
それでまず、3Wayネットワークを購入しました。これはMonacorのDN200というネットワークで、音楽信号を600Hz以下、600~3500Hz、3500Hz以上の3つに音域に分けることが出来るものです。この場合、周波数の境目を「クロスオーバー」といい、そうするとクロスオーバーは600Hzと3500Hzということになります。
大きなネットワークなので、スピーカーの後ろ側に取り付けました。ところで前にも言いましたが、ネットワークとはローパスフィルターやハイパスフィルターの集合したものです。ちなみにDN200というネットワークは1個で2万円近くと高価で、400Wの耐入力があり、プロ用です。随分張り込んで上等なネットワークを入れたものです。左右で4万円ですから!
それで、4306の低音用(白いスピーカー)には、それまで3200Hzまでだったのを、600Hz以下を担当してもらうことにしました。つまり600~3200Hzからは「手を引いて」いただいたのです。この音域こそ、20cmの低音用では分割振動で音を出す領域です。だから得意な(はずの)50~600Hzに専念してもらうことにしたわけです。
それでこの50~600Hzという音域は、ベースの少し高めの音とその倍音、チェロ、ビオラの低い部分、男性ボーカル、ドラムスの低めの音、ティンパニーなんかが含まれます。そしてその上の分割振動で出しているであろう音域はカットされるため、この部分での歪みを含んだ音は大幅に減少します。
かくして4306の低音用スピーカーは、耳を近づけるとなかなか綺麗な音、つまり歪み感の少ない音のみを出すようになりました。ちょっと地味かもしれませんけれどね。
ただし50Hzから600Hzを担当ですので、3オクターブの法則を完全には満たしていません。でも50Hzから3200Hzを担当するよりは、はるかにいいです。それに、このJBLの低音用スピーカーの中音域は結構好きだったので、多少なりともそれを残したいという気持ちもあったのです。
そしてその上の600Hzから3500Hzには、バイオリン、ビオラの高い部分、木管楽器、金管楽器、女性ボーカルなどが含まれています。オーケストラはもちろん、ジャズでもポップスでも、きわめて重要な音域です。
それでこの音域のために、やはりMonacorのSPH30という8cmのフルレンジスピーカーを購入しました。このサイズのフルレンジスピーカーとしては約1万円と高価で、ほぼ最高級品です。振動板にケブラーを用いてあり、超軽量高剛性です。そして8cmという口径ならば、600Hzから3500Hzという音域は最も得意とするところです。だから「水を得た魚」のようないい音がします。
この音域でSPH30が分割振動しているのかは厳密には分かりませんが、JBLの20cmスピーカーの600Hzから3500Hzよりは随分歪み感の少ない、それでいてすかっとした音が出ます。特にバイオリンは素晴らしい音になりました。これでイムジチの第一バイオリンの演奏を聴くと、演奏の現場にいるのでは?と思うほどリアルな音が出ます。演奏後、我が家の床に松ヤニの粉が散っていないか心配になるほどです。
さてそれで、そのまた上の周波数ですが、ひとまずJBLのホーンスピーカー(トゥウィーター、ラッパのような大きくて四角いやつ)を、4306のハイパスフィルターをそのまま使い、3200Hzから上で当面そのまま鳴らしていました。そうすると3200Hzから3500Hzは音域がだぶってしまいますが、この程度は誤差の範囲で大した問題ではありません。
だけどその後、FOSTEXのFT28Dというドーム型の高音用スピーカー(トゥウィーター)を付け加え、DN200(ネットワーク)の高音用に接続しました。そうするとFT28Dは3500Hzから上を担当することになります。
ところで個々のスピーカーユニットは、同じ電圧をかけても同じ音量が出るわけではありません。スピーカーの能率が異なるためです。だからそれを調整するために、アッテネーターというボリュームのような物を付けて、個々のスピーカーの音量を調整します。
それで、JBLのホーントゥウィーターと、FT28Dはほぼ同じ音域で鳴る訳ですので、これらをどういう比率で鳴らすといいのかを、いろいろと試行錯誤しました。
JBLの四角いラッパ型スピーカーはJBLらしい華々しい音で鳴る一方、FT28Dは繊細で純粋な音で鳴ります。つまり全然キャラが違うのです。
そして試行錯誤の結果、概ねJBLのホーンが4、FT28Dが6という割合で鳴らすのが、一番私の好みに合っていました。FT28Dのみで鳴らすと何だかお上品な音になって、それにJBLのホーンの音を程よく加えると、4306の生き生きとしたキャラクターが残る感じなのです。
これは前述のアッテネーターを使い、実聴上で決めたものです。つまり概ね、JBLが5dBダウン、FT28Dが4dBダウンで鳴らすわけです。ええと、3dBダウンで音が半分、6dBダウンで音は四分の一になります。
一応これで低音から高音まで設定出来たわけですが、残りは「超低音」です。これはサブウーファーを使いました。