高価なほど売れる不思議な世界

文字数 988文字

 ここからはオーディオにまつわるいろんな四方山話をします。
 で、突然ですけど、いきなり和服の帯の話です。
 以前、知り合いから聞いたことのあるエピソード。
 その帯を一本3万くらいで仕入れ、それをライトバンに積んで売って回ったそうです。各地の公民館なんかを借り、展示即売会をやったそうな。
 で、良心的なその人は3万で仕入れた帯を5万くらいの値を付けて並べたそうです。
 だけど、「やっぱり5万の帯は安っぽいわね」とか、散々おばちゃん達に言われ、あまり、いや、全く売れなかったそう。
 そういう訳で、とにかく大量の在庫を抱え、途方にくれたその人は、展示即売会の最終日に訪れた公民館で、「ええい! ヤケクソだ! どうにでもなれ!」とばかりに、すべての帯を30~50万程の値を付けたそう。
 そうするとやってきたおばちゃんたちは口々に、「やっぱり高級品は仕上げもいいわねぇ。この手触り最高ね٩(♡ε♡ )۶ じゃぁ、思い切って買っちゃおうかな♪」みたいに言いながら、3万で仕入れた帯が30万とかの値で飛ぶように売れたそう。

 それな!
 どう考えたって数百円とか、まあとにかく、大したコストしかかかってなさそうなオーディオ関係のアクセサリー。
 だけどそれを思い切ってふにゃら万とかうん十万とかの値段をつけて、そしてそれらしい御託を並べると、「やっぱり高級品は違う。断然音がいい♪」とか言って喜んで買う人がいる。

 申し訳ないけど文系の人って、オーディオにおける物理的、あるいは電気工学的なことが理解出来ないから、そういう御託を真に受けて、そういう「高級品」を買ってしまう。
 売る方からしたらそれはもううはうはな訳。あの、帯を売った人のように…

 昔々、物理学科での講義で、とある名誉教授が「世の中の全ての出来事は物理学で説明できる」みたいなこと言っておられて、私は今もそう思っていて、例え心の動きだって、脳内の化学物質の流れ、イオンの流れ、はたまたプログラミングみたいなものがあって、それで説明できる。
 心の動きさえそうなんだから、オーディオなんて、電気工学とか初歩の力学、物体の振動特性なんかでほぼ説明できると思うんです。
 まあ、んなわけない!!って怒る人、とりわけ文系の方。
 こてこての理系のワタシとは根本的にそりが合わない場合は「みぃたろうのバカヤロウ!」と叫んでからどうぞご退場くださいませ。
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