サブウーファーの考え方

文字数 2,709文字

 私はSONYのSA-CS9という安物のサブウーファーを2個使っています。左右の一番下のスピーカーで、左右それぞれ3個のレンガの上にペットシーツを折りたたんで置いて(後ろ側のレンガは写ってないけど)、その上に黒いサイコロのように置いてあります。そしてこれはスピーカースタンドを兼ねています。

 ちなみにSA-CS9の説明書には「サブウーファーの上に物を置かないで下さい」と書いてありますが、私は思い切り置いています。
 SA-CS9は100wのデジタルアンプ内蔵で、後ろ4分の1はプラスチックカバーがあり、テレビの後ろ側みたいになっていて、中に電子部品が入っています。だからこのプラスチックの部分に荷重をかけるとやばいでしょうね。
 だけど前4分の3は純然たるスピーカーボックスなのでとても強度があります。だからその上に乗せるJBL4306その他は強度のある、しかもボックスの淵のさらに強度のある部分に、薄いゴムのシートを、前2か所、後ろ1か所に敷いてから乗せています。まあ、自己責任ですので、何かを置かれるおつもりなら自己責任でどうぞ。壊しても当方は一切関知しないのでそのつもりで。
 で、それを全体でフロアスタンディング型スピーカーのようにまとめています。それと地震対策として、倒れないようにワイヤーで支えています。
 それはいいとして、普通、サブウーファーは例えば1個を左側に置きますよね。だけど例えばジャズで、ベースが右だったらどうなるの? とか思ってしまうのです。こんなのって何となく気持ち悪い。だから私は左右2個設置したのです。
 ちなみに接続はプリメインアンプの左右の「プリアウト」から取ってRCAケーブルで左右につないでいます。だからサブウーファーの接続も「ステレオ」なのです。私のアンプPMA1500REの取り説でも、「プリアウトはサブウーファー接続に使って下さい」と、明確に書いてありますし。
 ところで1個のサブウーファーだけだと両チャンネルを混ぜて接続するので、高い音域で左右のチャンネルの音がわずかながら混ざってしまいます。それが何となく嫌で、だから私にとってはこのつなぎかたが最善なのです。
 それで、このサブウーファーは実売16000円だったので、他のと比べるとまあ半額です。だからまあ2個買っちゃえってなったっていうところもあるのですが。でもこの方がまとまりもいいでしょう?
 そもそもスピーカーをスピーカースタンドに乗せて、サブウーファーを一個別個に設置って、上の写真だとどこに置きます? 邪魔くさいことこの上ない。私のやり方のほうがよほどすっきりすると思いますけど。
 それと、そもそも「28~50Hzをアシストする」というのが使用目的なので、低音はJBL4306の20センチの白いスピーカーもかなり出してくれているし、だからSA-CS9はあくまでも縁の下の力持ちなのです。
 そういうわけで小さな音量で鳴らしています。出しているのは30センチウーファーが出せて20センチウーファーが出せない重低音のみです。しかも2個で鳴らしているので1個あたりの負担も半分です。そういう地味な使い方なので、仮に音が悪かったとしてもあまり気にしない。
 それから、サブウーファーと4306の20cmウーファーとの音のつながりの絡みで、4306のバスレフポートは塞いでいます。また、4306のエンクロージャ内も、密閉式並みに吸音材を追加しています。だから4306のウーファーのみの低音は、20cm密閉式の低音になっています。これだと実聴上は70Hzくらいより下はだら下がりの状態になりますが、締まった低音になります。そしてそれ以下の帯域をサブウーファーでアシストしているのです。それから、サブウーファーのクロスオーバーは50Hzに設定するのが実聴上ベストでした。
 ところで、サブウーファーのクロスオーバーを50Hzにしたからと言って、サブウーファーから50Hz以上の音がばっさりカットされる訳ではありません。多分1オクターブ(周波数二倍)で12dBカットだろうと思います。つまり100Hzでマイナス12dBです。だから70Hzだとマイナス…、ええと、マイナス5.8dBかな? ちょっと下がりすぎかもだけど、だけどベースの音なんかを聴いて決めているので…
 もうひとつちなみに、SA-CS9のバスレフポートはそのまま使っています。そうするとトータルでは、あたかも30cmバスレフのような低音になります。ええと、もともと私はバスレフの低音は好きなんですよね。
 だから要するに30cmバスレフのような音を目指して、音作りしているのですよ。
 そして、そういう使い方をする限り、SA-CS9の音は悪くないです。SONYはまじめな会社です。十分に役目を果たしています。そもそもこれ、「スピーカースタンド」なんだし。
 ところでSA-CS9の箱(エンクロージャ)を中指の第二関節で叩くと、結構ポコポコです。ネットでこれをとやかく言う人がいましたが、再生周波数(28~50Hz)を考えれば、このポコポコは300Hzくらいだから、共振周波数を完全に外れています。だから演奏中も箱は微動だにしませんよ。
 物事は物理学的にきちんと根拠を持って考えるものです。
 それと、何かに書いてあったけど、サブウーファーを左右チャンネルで使うと、ライブなんかを聴くと、会場に漂う「空気感」が表現されるようになるというんですよね。私が思うにコンサートホール内には、ものすごく低い定常波が発生していて、それは楽器からの音とか、観客の呼吸の音とか、いろんな音のとても低い成分で、そういうものが左右のサブウーファーから表現されているのかな?(ほんまかいな)だけどたしかにライブを聴くと、「現場にいる感」はありますね。独特の「ざわざわ」した雰囲気ですよ。
 それと蛇足ですが、30センチウーファーを持つスピーカーシステムは、重量が25キロくらいあります。これでは設置時にぎっくり腰をやってしまいそうです。だけどSA-CS9は単体で約12キロ。JBL4306も同じく約12キロ。その上の小箱の重さは知れてるし、つまりばらせるので1個1個設置すれば楽です。
 ともあれこのサブウーファーは「スピーカースタンド」として買ったのです。そしてグリコのおまけみたいに、「サブウーファー」の機能も付いているのです。
 繰り返しますが、30cmウーファーが出せて20cmが出せない28~50Hzのみをアシストするのです。決して、ぶんぶくぶんぶく大音量で低音を響かせるのではありませんから念のため!
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