私が実際に構築した「リアルサウンドオーディオ」のスピーカー 3

文字数 2,126文字

 サブウーファーは、ソニーのSA-CS9という安いものを左右に、つまり2個購入しました。実売一本17000円くらいで、私の場合はスピーカースタンドを兼ねています。ちなみにSA-CS9の取説には「上に物を乗せるな!」と書いてありますが、私は自己責任でやっていますので、念のため。一応、乗せちゃいけないそうですので。だから心配な方は、サブウーファーに物を乗せないような設置法を考えてくださいね。

 で、4306は一応50Hzから再生可能なのですが、オーケストラではコントラバスがそれよりずっと低い音を出します。それで、SA-CS9は28Hzから再生可能ということなので、28Hzから50Hzをサブウーファーにお願いした訳です。ちなみにSA-CS9は25cmのバスレフ式です。
 それで調整ですが、「鳴ってるかな?」というくらいに控えめに鳴らすのがコツです。最初はサブウーファーのボリュームを絞って、4306のみの低音(ベースの音)を聞きます。それからサブウーファーのボリュームを少しずつ動かし、重低音の量感が出てくるところまで上げます。だけどあくまでも縁の下の力持ちです。低音が出過ぎず、しかしずっしりとした重低音が確かに響いてくる。そんな感じにセットします。あくまで縁の下の力持ちなのです。
 それからサブウーファーは、上の周波数をどこまで出すかが調整が出来ます。これもクロスオーバーといいますが、私は50Hzまでにセットしました。これは実聴上ここがベストと判断したものです。
 ところでこの低音の調整には、ポップスやジャズのコンボ(小編成)なんかがいいです。ベースのソロなんかが最適です。ジャズのウッドベースでは、地に根が生えたような重低音が出ていますが、それが控えめに響いてくるくらいにセットするのです。
 ポップスだとポールマッカートニーのSilly Love Songsがいいですね。ポールのベースがガンガン出てきますので。それと、バスドラムの「ドスン」という音の表現も参考になりますね。
 ともかくこれで、28Hzから50Hzをサブウーファー、50Hzから上を4306の白いスピーカーでと、上手い具合にバトンタッチ出来るようになり、随分自然な、そして豊かな低音が出るようになりました。
 ところで、詳細は省きますが、私は4306を、バスレフ式から密閉式に変更しています。このほうがサブウーファーとのつながりが良かったからです。だけどこれも自己責任です。
 ともあれ、魔改造するということは、故障は覚悟の上。メーカー保証も放棄するといいことです。もっとも私のシステムは、とおの昔に保証期限を過ぎていますけれど。
 とにかくこれでベートーベンの交響曲なんかを聞くと、コントラバスを弓ではなく、ビチカートで演奏したときなんかに、ドーンという豊かな重低音が控えめ目に響いてきます。あたかも30cmくらいの低音用スピーカーを使っているかのようです。

 それから最後に、MonacorのSPH30とFOSTEX FT28Dを納める小箱の話をします。
 写真のように小さなスピーカーボックスに収まっています。これはFOSTEXの、「かんすぴP-800E」という自作用の小型のスピーカーボックスで、1個でたしか1600円程度と格安です。しかもこれには、あらかじめスピーカーユニットを取り付けるための穴(73mm径)まで開けてありますので、取り付けはわずかな加工で済みます。
 それと実は、MonacorのSPH30とFOSTEXのFT28Dの取り付け穴の径はどちらもぴったし73mmなのです。だからこれらのユニットを選んだ理由は、性能もさることながら、加工の容易さも理由の一つです。だけどP-800Eにはバスレフ用の穴まで開けてありますので、これはSPH30の場合、塞ぐ必要があります。バスレフは利用しないし、それどころか、スピーカーの裏側から汚い音が回り込んで出てくるのです。その一方、FT28Dでは、構造上裏側からは全く音が出ませんので、バスレフ用の穴を塞ぐ必要はありません。

 とにかくこうやって4306の味わいを残しつつも、低音、中音、高音のいずれの音域でも歪みを減らし、再生帯域を広げ、そして解像力を上げたスピーカーシステムが構築出来たのです。これならどんなジャンルの音楽もびっくりするようないい音で楽しめます。


 そういうわけで手間賃は別として、1本約12万のスピーカーとなってしまいました。でも考えてみると4306を下取りに出して、改めて一本12万のスピーカーを買うとすると、下取り価格を考えて、出費は4306購入費と合わせれば、12万どころではありません。つまり4306の価値はそのまま手元にあるのですから、これは悪い話じゃありません。4306を下取りに出して「失った」わけではないし、いつでも「ノーマル」の状態には戻せますから。
 ところでこのシステムが、1本実売12万のスピーカーに勝るのか劣るのか…、それは知りたくありませんね。だけど、ノーマルの4306とは別次元の音で鳴っています。しかも音楽ジャンルを選びません。いいシステムが出来たと、私は自己満足に浸っています。


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