第１６話　コーヒーブレイク（後半）（２０３５年）

（智子がコーヒーブレイクを楽しむ）

智子は、我に返って、コーヒーカップの蓋を開け、クッキーの袋を破った。コーヒーだけでなく、クッキーもまだ温かかった。

最初に、コーヒーAとクッキーAを味見した。
まずくはないが、ごく普通の出来栄えだ。

次に、コーヒーBとクッキーBを味見した。
これは、信じられないくらい美味しかった。
ちょっと、キツネに騙されているような気分だ。
材料が良いのか、調理法か、わからなかった。

コーヒー、クッキーの順番で書けば、ここまでの組み合わせは、AAとBBだ。
残された組み合わせは、ABとBAだ。

鈴の木は、AAとBBの組み合わせ以外については、何も言わなかった。

しかし、智子の好奇心は、クロスの味見を進めていた。

3番目は、コーヒーがA、クッキーがBである。