第32話 自治体OSの効果(2035年)

文字数 832文字

(鈴乃木が自治体OSの効果を説明する)


鈴乃木が説明した。
「自治体OSは、導入前と導入後を比較すると、最終的には、コストを概ね半分に圧縮することができます。短期的には、重複しているシステムを廃止することで、コストを20%削減できます。これは、自治体OSの単体の効果です。自治体の財政の改善は、個別のシステムの導入によって生じます。

例えば、政治システムを導入すれば、基本の政治は、AIが自動実行します。議会の議員が議論する内容は、個別の予算案ではなく、AIのアルゴリズムの選択と、パラメータ設定になります。政治システムを導入した場合、議員定数は10分の1になります。つまり、人件費、議会場の施設とスペースが削減できます。

一方、有権者の意見は、重要な案件については、必要な時には、いつでも、WEBで、2分間の動画の説明のあとに、賛否を問います。

政治システムの課題は、有権者と行政の間の情報交換です。これも、P問題の一例です。

むかし、有権者のほとんどが反対するオリンピックの開催を、政府が強行したことがあります。このような政治システムは、最低限のP問題の解決レベルであるP1レベルもクリアしていません。

自治体OSはP4レベルをクリアしていますが、政治システムのPレベルは、使っている政治システムソフトウェアに依存します。事前に予習させて頂いた範囲では、こちらでお使いの政治システムP2レベルに止まっています。自治体OSは、政治システムのような個別システムを仮想マシンの上で動作させることで、情報のスムーズな効果を可能にします。仮想マシンは、個別システム毎に、準備しますので、全ての個別システムに対応できている訳ではありませんが、シェアで言えば、90%はカバーしています。

お使いの政治システムもサポート対象です。その他のシステムのサポート状況は、資料の3ページの表にのっています。この表に見ますように、遺跡発掘調査システム他2点が対象外ですが、主なところはカバーしています」

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み