第6話 アプリの性能(2035年)

文字数 986文字

(鈴乃木が野球チームで言えば、選手の能力に相当する必要なアプリの性能を説明する)

鈴乃木が説明を続けた。

「さて、話を自治体OSに戻します。

第1に、アプリの性能が、高くないと、効果が上がりません。

野球に例えれば、求められる選手(アプリ)の能力は、身体能力と協調性です。

アプリも単体の能力が高いだけでなく、自治体OS(監督・トレーナー)や他のアプリとの協調性が必要です。

自治体OSは、アプリを統合管理します。

その結果、アプリは、自治体OSを通じて、他のアプリとデータのやり取りができます。しかし、アプリが、こうした外部データを活用できる様に、バージョンアップされないと、宝の持ち腐れになります。

野球で言えば、ピッチャーとキャッチャー、プレーヤーと監督が常に、ワイヤレスマイク付きイヤホンで、会話しながら試合できれば、理想的です。

このために、弊社は2つの方法を準備しています。

第1は、アプリの開発元と、協力して、デザート・ストームの自治体OS対応の、バージョンアップができるアプリ開発をお願いしています。

これは、選手に、マイク付きイヤホンを使えるようにお願いすることに相当します。

スクリーン表示資料の3ページに、自治体OS対応のアプリの対応リストAがのっています。

第2は、模倣アプリ作成機能です。自治体OSは、アプリの入力と出力をすべてコピー、監視しています。このデータを使って、機械学習させることで、単純なアプリであれば、自動的に模倣アプリが作成できます。

自治体のアプリの中には、非常に単純な機能しか持っていないものもありますが、単純な故に、他のアプリと独立して使い続けられている場合も見られます。
模倣アプリ作成機能を使えば、こうしたアプリもネットワークシステムに取り込むことができます。

ついでに申し上げますと、自治体OSの上で、使えるが、自治体OSに対応したバージョンアップができないアプリも存在します。そのアプリは、資料5ページの対応リストBにのっています。使えるが、統合化できないアプリです。自治体OSが普及するに従って、リストBから、リストAに移行するアプリも増えていますが、一方では、技術力がなく、将来も、対応できないアプリも存在します。こうしたアプリは、今すぐに対応する必要はありませんが、近い将来に、リストAのアプリに切り替えるか、模倣アプリに切り替えてください」
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