第１４話　コーヒーブレイク（前半）（２０３５年）

（智子がコーヒーブレイクを楽しむ）

鈴乃木が、口を開いた。

「コーヒーブレイクをとって、10分休みましょう。今、そちらのビルの受付に、コーヒーの宅配が届いたという連絡がありました。3分くらいで、ビル内配達が、お部屋まで、コーヒーをお届けするでしょう。
コーヒーは2カップあります。コーヒーとセットで、クッキーが付いています。コーヒーとクッキーは同じマークの付いているものをセットで味見してください。
それでは、バーチャル会議を中断しましょう」


鈴乃木は、立ち上がると会議室を出て行った。

智子は、グラスを一旦、外した。

ビル内配達が、コーヒーを持ってきた。セキュリティのため、宅配は、1階の受付までで、ビル内は、ビル内配達がリレーする。
テーブルの上に、配達された袋を置いて、中を開けた。中には、SetAとSetBとラベルされた2つのコーヒーカップとクッキーが付いていた。
コーヒーの匂いを嗅いだ。

「これは、エクアドルだ。エクアドルのコーヒーの香りだ」智子は、思った。