4月25日 石ころ8:ルンペルシュティルツヒェンを実力で

文字数 593文字

 今日は世界ペンギンの日!
 嫁募集中!

 ※本編とは関係ありません

 高貴なキングペンギンが歩いてきました。
 アデリーペンギンは見栄を張り「わたしは海水を魚に変えられます」と話します。

 キングペンギンは素晴らしいと感動し、催促してきました。
 失敗すれば打ち首ものです。

 通りすがりの冠羽ペンギンが囁きます。

「オレが代わりにやってやるよ。但し、子供を産んだらよこせ」

 後日、卵から孵った雛に餌を与えていると、あの時の冠羽ペンギンがやってきました。

「約束だ、その子をよこせ」

 どんなに石ころを渡すと説得しても、納得しません。

「また明日くる。それまでに、オレの種族を言い当てられたら見逃してやるよ」

 冠羽ペンギンは立ち去りました。

 アデリーペンギンは悩みます。

 黄色い冠羽が生えていました。冠羽は明瞭に二列に分かれ、嘴の付け根から背にかけて黒い羽毛が顔を完全に覆っています。フィヨルドランドペンギンのように頬を白く染めていませんし、シュレーターペンギンのように冠羽を立ててもいません。

 亜種まで問われないでしょう。
 あの赤い目は、ロイヤルペンギンやマカロニペンギンにも似ていますが……。

「イワトビペンギンね?」

「ご名答」

 イワトビペンギンは微笑みました。

「もう嘘をつくな。物事の真実を丹念に観察しろ。丁寧に一つ一つ挑戦すれば、どんな苦難も乗り越えられるさ」

 そして彼は、颯爽と立ち去ったのでした。
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