4月9日 石ころ3:教訓の使いどころ

文字数 498文字

 教訓「優しげな狼こそ、一番危うい」

 お婆さんにガレットとバターの壺を届けに、女の子が家を出ました。
 暗い森の中に入っていきます。

 狼おじさんが現れました。
「どこへ行くんだい?」

 女の子は刀で袈裟斬りにしました。

 狼お姉さんが現れました。
「お茶をしませんか? こんなに春が萌えているのですもの!」

 女の子は自動小銃で彼女の額を撃ち抜きました。

 狼の子どもが現れました。
「お姉ちゃん! 一緒に遊ぼうよ!」

 女の子は彼の背後を取り、絞め殺しました。

 狼の群れが現れました。
「家族の仇!」

 手榴弾を投げました。
 毒ガスを噴射しました。
 火炎放射器でじっくり炙りました。

 お婆さんのお家に到着します。

「取手をお引き、桟がはずれるから」

 おばあさんの声が普段より太く聞こえます。
 風邪気味と聞いていましたが……。

 騙されない。

 女の子は中に入るや否や、ベッドに伏せていたお婆さんの喉元をかっ切りました。
 鮮血が噴き出ます。

 ああ、かわいそうなお婆様。
 すでに狼の腹の中だなんて!

 貴方の分まで、孫のわたしは強く生きます。

 女の子は教訓を胸に、どんな優しげな相手も容赦せずぶっ殺しました。

 めでたしめでたし。
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