第32話 継母とトーク

文字数 1,033文字

ちょっと、波瑠さん。
なんですか、ママハハ。
ちょ、ママハハって!!


千尋さんか、……お母さんって呼びなさいよ。(顔真っ赤)

じゃあ千尋さんから。


なにか用ですか、千尋さん。

ちょっとお話しするわよ。
はぁ……?

(超ひも理論、9次元で振動する”ひも”のことを考えていたのに)

学校はどう?楽しい?お友達はいるの?
学校は義務ですから。それと友達はいます。
まあ!波瑠さんみたいな子に友達がいるとは、よかったこと!


どんなお友達?どんなおつき合いをなさっているの?

今度おうちに招待してもよくってよ。

(質問が一気にくるな)

友達は、同じクラスの鈴木絵里ちゃん。イモリ研究で全国的に知名度があります。


どんなおつき合いかというと、一緒にイモリの楽園ビオトープを作ったりしている。

今は生き物を癒やす周波数を探す遊びをしている。

イモリって……あのイモリ?
はい。
…………えっと、
(気を取り直して)

じゃあ、好きなテレビやお気に入りの有名人とかはいるの?

テレビは……寮の食堂で見ていたくらい。


ドラマの『シンデレラの匙加減』?

『シンデレラの匙加減』!私も見ていたわ。


甘えん坊御曹司役でデビューしたジャニースの子、良かったわよね!

???
それからメイドオーディションで、御曹司が好きな「ばあやの豚汁」の味をヒロインが再現したじゃない?

あの出会いのシーン、よかったわ~。

???
……本当に見ていたの?
見ていましたとも。

ヒロインの「ワンポイント家事レッスン」はためになりました。


モヤシをダメにしないコツは、モヤシのことを忘れない。

白菜の黒い斑点はポリフェノール。

そして野菜は作るより買った方が断然安い。

なんか話がずれるわね。


(ゴホン)えっと、波瑠さんは、好きな人とかはいるの?

寮母さんの畑中さんは好きでした。


献立が科学的かつバランス感覚に優れている。そして、鬱陶しくない。


事前準備を怠らないため、トラブルを未然に防ぐ。だから一見暇そうに見える。

トラブルが起きて、マウント取りながら恩着せがましく解決するのは、無能のすること。

よって畑中さんは有能。

違う違う!そういうことじゃなくて。


好きな男の子はいるの?

男?
気がつくとその人のことばかり考えちゃうような。
(ドキッ)(顔を赤らめる)
いるのね!どんな男の子?
思い出しました。私の願いを叶えてくれるんですよね。


会わせて欲しい男性がいるのです。

まあ、奥手かと思ったら意外と積極的!

誰なの?(前のめり)

真砂大学情報理工学課数理科学系の南天(なんてん)教授に会いたい。
ちょっと待って。
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登場人物紹介

神崎 茉白(かんざき ましろ)


高校1年生。常世町東地区に住む祖父母と同居するため、夏休みに常世町に転入。


川本 美羽(かわもと みう)


常世東高校1年生。東地区に住んでいる。

如月 波瑠(きさらぎ はる)


真砂高校1年生。真砂グループ会長、真砂孝氏の三男、真砂裕氏の愛人の子。

母は医者。新型ウイルス治療中に感染により命を落とす。

その後、子どものいない真砂裕夫妻に引き取られ養子縁組した。便宜上、旧姓を使用している。

細野 晋(ほその しん)


真砂高校2年生。如月同様、真砂会長三男、裕氏の愛人の子。

母は裕氏の元秘書。中央地区に住んでいる。

篠田 柊也(しのだ しゅうや)


真砂高校2年生。如月、細野同様、真砂会長三男、裕氏の愛人の子。

母は真砂裕氏の元ハウスキーパー。中央地区に住んでいる。

仲川 史織(なかがわ しおり)


常世町役場併設のコワーキングスペース、「カフェ・コーラル(珊瑚)」勤務。

アッサム


インドから真砂大学に留学していた。そのまま真砂グループに就職。上席研究員。

神崎 苑子(かんざき そのこ)


茉白の祖母。元病院勤務(栄養士)

神崎 直哉(かんざき なおや)


茉白の祖父。元常世町役場勤務。

田端 薫(たばた かおる)


常世町役場2階、全国原子力保全整備機構(NMJ)勤務。3年前常世支部に赴任した。

ナラティブ・リーディング・メロディ


如月波瑠制作のチャットボット


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