第30話 登場人物紹介&顧問弁護士がやって来た
文字数 1,102文字
【番外編】 登場人物紹介と、ざっくりとしたあらすじ
如月 波瑠(はる)
中学1年生。母子家庭。
新型ウイルス患者の対応に追われ、病院で寝泊まりしていた母親に付き添い、真砂大学附属病院看護学校の寮に住み、学生に混じって生活していた。
如月 晶(あき)
波瑠の母親。医者(呼吸器内科医)。
真砂大学附属病院勤務。
真砂 裕(ひろし)
波瑠の父親。真砂グループ会長の三男。
真砂大学の教授。地球物理学/地震学/火山学。
研究テーマ「電磁場を用いた地震・火山発生モニタリング」
真砂 千尋(ちひろ)
真砂裕の妻。長年不妊治療を行っていたが、諦めたところ。
真砂裕と如月晶は不倫関係。
如月晶は波瑠を身ごもり出産し、真砂裕は波瑠を任意認知した。
新型ウイルス治療の最前線に立っていた如月晶は、クラスター発生した他県の医療センターへ応援に行った際に感染。重症化し死亡した。
波瑠、中学1年生の11月のことであった。
感染防止のため、母の死に目に会えず、実感が無いまま母の死を受入れざるおえない波瑠。
しばし寮の応接室でぼんやりする。
窓の外は夕暮れ、風が強い。
今日は顧問弁護士とやらが訪ねてくるらしい。
あ、遅くなりましてすみません。
如月波瑠さんですね。
私は、お父さま真砂裕氏の顧問弁護士、原大輔と申します。
如月さんは未成年です。
お父さまから、養子縁組して一緒に暮らさないかとのご提案です。
実は葬儀の後、父から頻繁に電話やショートメールがあった。
【留守番メッセージ】
ね、波瑠ちゃん、一緒に暮らそうよ~せめて成人するまで~
千尋もウエルカムだって言ってるよ~
絶対悪いようにはしないから~いいでしょう~?
【留守番メッセージ】
なんで電話に出てくれないんだよ~
会いに行きたいけど、今九州で来週は北海道だし……
もう、顧問弁護士向かわせるから!
(父が軽い、というかチャラい)
(お母さん、あなたの好みが理解できない)
(でも、資金援助は受けますよ。母の教えなので)
波瑠、お金がないのは本当にみじめよ。
お金さえあればなんとかなる。大抵のことは乗り切れる。給料が入れば疲れもとれるのよ。
もしお母さんになにかあったら、お父さんの資金援助は受けること、いいわね。
如月晶は、田舎の小さな蕎麦屋に生まれた。
親は国民年金も未納であった。
晶は自分の才覚とたゆまぬ努力で、黒松県立医科大学に進学。
住民税非課税世帯であったため入学金・授業料は免除、成績優秀者への給付型奨学金と家庭教師のバイトで生活費・教材費等を工面しながら勉学に励み、医師国家試験に合格した。
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