西日本統合

文字数 496文字

 中国・四国・九州をまとめる案があった。かれらは、東京や大阪など大都市部とは距離を持ちたかった。彼等にとっての日常とは、毎日のことではなく、一年のサイクルで出来上がっているものだったからだ。

 とはいえ、中国地方は日本海側と瀬戸内側で険悪だった。四国は中国・九州と一緒にされたくないと反発した。九州は福岡・熊本・鹿児島の覇権争いに加え、本州との歴史的軋轢がある。

 広島を中心に交渉が続いたが、最後まで抵抗したのは、出雲だった。出雲が出れば、高千穂も譲らない。そうなれば四国も対立する。広島の孤立は目に見えていた。

 困った彼等が考え出したのが、出雲方式。本部は出雲に置くが、代表は出ず、事務方のみとした。こうして、毎年、各地方から出雲へ代表が集結することで、西日本支部が出来上がった。ただし岡山と兵庫は双方の希望で関西地区とされた。

 西に比べ、東北連合はすぐに決まった。むしろ過疎による影響が深刻で、一番統合を望んでいた。そして、沖縄には今も支部がない。沖縄地区には日常マンがいないからだ。彼等にとっては、市民ひとりひとりがすでに日常マンであり、日々の日常を守る活動をしている。
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登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

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