非公認キャラ

文字数 523文字

「商店街公認キャラクター・日常マン。なお、このデザインは川越市民歴史館の協力によるものです。」
 商店街のスピーカーからアナウンスが流れる。
「商店街の平和な日常を乱す、悪党。この日常マンが成敗してくれる。」
 鎧風衣装にはどうやらマイクが仕込んであるようだ。ジョウの後ろから一人の団員が小さな筒を渡した。
「あーあー、ただいまマイクの試験中。」
 ジョウは渡された筒に向かってしゃべった。そして
「あ、われこそは団子屋響店主。響ジョウ。商店街のオンリーワン団子屋になる夢を邪魔させねえ。やい、子分ども売って売って売りつくせ。」
「出ました。非公認キャラ・響ジョー。しかし、かっこいいですね。まだ20代独身。現在、響ファンは推定25人。商店街のアンケート結果によるものです。ちなみに放送している私もその一人。ファンクラブに加入すると団子代の5%が商店街でキャッシュバック。入会料はなんとタダ。」
 商店街もちゃっかりと乗っかってる。

 休日は観光客が多いので、大きな動きができない。人の少ない平日は商店街の屋根づたいに走り回るなどのアクションが見られる。日常を守るといいながら非日常のできごとが繰り広げられる。が、これがこの商店街の日常なのだ。
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登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

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