一件落着

文字数 536文字

 「やあ、お待たせ。」
 達磨大使が部屋に勢いよく飛び込んできた。みんなは、何しにきたと言わんばかりに、ぽかーんとした顔をしている。
 「おや、聞いてない?聞いてないよね。群馬支部と栃木支部と茨城支部とで合併することになったから。」
 「なぬ~。」

 「初代北関東支部長は茨城支部長にお願いすることになったので。」
 経費削減のために各都道府県にあった支部を統廃合することになったらしい。各支部の抵抗が予想されたので、決定は秘密裏に行なわれた。
 「日常マンの成り手も少なくなってきたしさ。FAXでのやり取りをやめてIT化すれば支部の数を減らせるだろうって話になった。群馬支部はちょうど支部長不在になるから、もちろん賛成したよ。東京練馬区と埼玉も合併するし。それで、茨城支部長の水戸代表が皆さんに挨拶したいそうだ。」
 モニター越しに、老人の顔が映る。達磨大使が皆になにやら小さなパックを配る。
 「挨拶代わりの納豆じゃ。」
 部屋の中に充満した匂いは、群馬の下仁田ネギや栃木の宇都宮餃子に負けないものだった。
 「ほっほっほ。われら3県がまとまれば、練馬区埼玉連合にも負けぬわい。」
 一方、練馬

の支部長は戸

)に決定したらしい。
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登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

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