コロコロ団
文字数 655文字
尾道に本部長が着いたのは、昼過ぎだった。さすがにマチはもう帰ってしまったろう。最初の数日は彼女の日常の行動が申告通りか探る。
彼女の自宅へと向かう。さすが、尾道。市街地を外れると急な坂になる。いりくねった細い坂道を登っていくと、栗が坂をころがり落ちてくる。もう秋なんだなあと思って、一つ二つと見ていると、数十個のいがぐりの団体さんが道幅一杯に広がって向かってくるではないか。
チクチク。
避けたところで、容赦なく栗が襲ってくる。下を見ると、老人達が手馴れた様子で栗を拾い集めている。
「ここは、栗の通り道ですか?」
「そぎゃなことあるか。上でコロコロ団ちゅうのんが落としよるけん。わしら、それを拾うとるんよ。よそもんがこの道を通りよると、今の時期は、はあ栗や柚子が道ん上さ、コロコロ転げ落ちるんじゃ。わしらにとって、季節の恵かのう。」
地元の人にとっては当たり前の光景らしい。しかし、自然に転がってくるとも考えられない。まずは、コロコロ団について調べるか。
「コロコロ団?ああ、そりゃ、坂の上から色んなもんをようけえ転がしてくるやつらのことじゃ。」
「よそもんが近づくと、やられるでな。ほじぇけえ、気いつけんしゃい。」
「目的?そぎゃなことわかりゃせん。お接待のつもりじゃなか?」
とにかく、坂の上から色んなものを転がしてくる危ない連中だということはわかった。お接待とは、尋ねてきた子供たちにお菓子を配る、この地方のハロウィンのようなものらしい。歓迎されているのか、追い払おうとしているのか。
彼女の自宅へと向かう。さすが、尾道。市街地を外れると急な坂になる。いりくねった細い坂道を登っていくと、栗が坂をころがり落ちてくる。もう秋なんだなあと思って、一つ二つと見ていると、数十個のいがぐりの団体さんが道幅一杯に広がって向かってくるではないか。
チクチク。
避けたところで、容赦なく栗が襲ってくる。下を見ると、老人達が手馴れた様子で栗を拾い集めている。
「ここは、栗の通り道ですか?」
「そぎゃなことあるか。上でコロコロ団ちゅうのんが落としよるけん。わしら、それを拾うとるんよ。よそもんがこの道を通りよると、今の時期は、はあ栗や柚子が道ん上さ、コロコロ転げ落ちるんじゃ。わしらにとって、季節の恵かのう。」
地元の人にとっては当たり前の光景らしい。しかし、自然に転がってくるとも考えられない。まずは、コロコロ団について調べるか。
「コロコロ団?ああ、そりゃ、坂の上から色んなもんをようけえ転がしてくるやつらのことじゃ。」
「よそもんが近づくと、やられるでな。ほじぇけえ、気いつけんしゃい。」
「目的?そぎゃなことわかりゃせん。お接待のつもりじゃなか?」
とにかく、坂の上から色んなものを転がしてくる危ない連中だということはわかった。お接待とは、尋ねてきた子供たちにお菓子を配る、この地方のハロウィンのようなものらしい。歓迎されているのか、追い払おうとしているのか。