支部長選

文字数 590文字

 辞職する渋川に代わる支部長を選ばなくてはならない。
 「急なことだし、職員投票無しで、各地区の代表の投票だけでいいんじゃないか。」
 知事の一言で選挙は始まった。高崎と前橋の一騎打ちと思われたが、
 「私は沼田代表がいいと思うがね。」
 と、知事が口出ししてきた。多くの職員から拍手があがる。知事の一言で流れは一気に沼田に傾いた。
 「前橋にしても高崎にしても遺恨が残りそうで。確かに、県庁とのパイプ役だった沼田なら、残り一年を継承してくれそうですね。」
 代表たちの間では受けのいい沼田だったが、これに青ざめたのは職員たちだった。なにせ、沼田に異論を唱える職員は左遷されるという噂があったからだ。見た目は、朴とつとした爺さんだけど、何を考えているわからない。ボランティではなく給与制にしようとしているって話もある。そのために、支部への会費を値上げする気らしい。

 「あいや、待ったあ!」
 と、太田が異論を唱えた。
 「職員の意見を無視するたあ、聞きずてなんねえ。」
 知事と太田も仲が良くない。
 「なあ、桐生。」
 「Zzzzz。」
 桐生の新喜六は、酔いつぶれて寝ている。

 「まあまあ、落ち着いて。」
 伊勢崎が仲を取り持つ。
 「やい、伊勢崎。おめえはどっちなんだ。」
 「伊勢崎は昔っから前橋派だからな。」
 いよいよ北毛・東毛・中毛・西毛の4つ巴になった。
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登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

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