日常マン誕生秘話

文字数 548文字

 日常マンは202X年に政府が作った、ボランティアである。外国人が増えた日本で個の主張が増え始めたと同時に個人のわがままも増えていった。そこで、町内の平穏な暮らしを守るために町内会とは別の治安委員を決めていった。それが日常マンである。日常マンには、その印として専用の手ぬぐいが渡される。かまわぬに十手を足した、かまわぬ御用柄。普段使いもできるように裏は無地という心配りである。もっとも安く仕上げるためという有力な説もある。

 日常マンの条件は正義感だけである。ただし、サラリーマンのような地域の日常を知らない人間はなれない。地域で生活し地域の日常を観察できる立場になくてなならない。警察ではないので、逮捕や強制捜査はできない。あくまで指導や排除といった活動に限られるのである。そういう意味では、現代の岡っ引きと言えるだろう。

 日常マンには、それぞれ変身のきっかけとなる食べ物が存在する。それを食べた瞬間、日常マンに選ばれた人間は催眠術によって、正義の心が抑えきれなくなるのである。変身したって能力が増えるわけでもない。単なる気持ちの問題である。
 彼らには、身近なものを武器として使う武器が許されている。当然ながら怪我をさせる目的のものではない。あくまで、捕まえたり威嚇するために使用する。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み