エクソシスト

文字数 419文字

 昼間のユダはちょっと違う活動もする。日本の夏は暑い。最近は下町もアスファルトで固められ、熱気がすごい。さらにクーラーも使うようになった。しかし、日本には伝統的な打ち水という行事がある。熱を持った地面に、水をまくと気化熱で温度が下るというものだ。いまでは、下町でもあまり見かけなくなった。そこで、ユダは一番風呂に入った後、桶に水を入れて銭湯員にまかせる。
「ネッキ、タイサン!」
 掛け声は変だが、気温が下り始めるこの時間帯が一番効果的なのだ。

 夕日が沈むと、一同は冷えたビールを手に持った。
「ショキ、タイサン。」
 いわゆる暑気払いってやつだ。

「ニホン、ネッキ、ショキ、オニオオイデス。」
 物足りなかったのか、一行はビアゲーデンへと繰り出した。
「ジャンジャン、ハライマスヨ。」
 お腹一杯になった彼らの元に一枚の紙がやってきた。
「ジュウマンエン?タカイヨ。」
 大柄の黒服の男達が取り囲む。
「こちらも払ってください。」
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登場人物紹介

日比野左半次(ひびのさはんじ)

食後にお茶を飲むと日常マンになり悪と戦う。

響ジョウ(ひびきじょう)

川越の団子屋店主。恐怖団団長。

お団子ヘアが特徴。

違法営業で商店街を乗っ取ろうとしている。

新喜六(しんきろく)

桐生の酒屋の店主。

酒饅頭を食べると日常マンになる。

五月蝿岩代(うるさいわよ)

京都の小さな加茂の端(かものはし)神社の神主。

先代の神主である夫・五月蝿以蔵(うるさいぞう)の後を次いだ。

餅を食べると日常ウーマンになる。

井伊ユダ(いいゆだ)

浅草で活動する唯一の外国人、日常マン。

湯上りのコーヒー牛乳で変身する。

牧師である彼は手ぬぐいの白地を表にして首から下げている。

達磨大使(だるまたいし)

日常本部2代目本部長。

全国の日常マンたちの活動を視察して回る。

本部長キャッチコピー『悪が生んだ正義の達磨』

坂野マチ(さかのまち)

尾道で魚の行商をしている。

コロコロ団のゴッドマザー。

茶々戸ネコ(ちゃちゃどねこ)

名古屋の日常ウーマン、茶々戸ネネが飼っているネコ。

その鳴き声を聞くと誰でも名古屋弁がでてしまう。

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