第53話 雨の日ファイター

文字数 814文字

「雨の日ファイター」

■人物
小松瑠璃(17)高校2年生。
滝沢真司(17)高校2年生。

■本編
瑠璃のMO「嵐でも台風じゃないから休校にならない。そんな最悪な日は、牛乳を一気飲みして気合を入れる。皆勤賞の私にとって、このくらいの雨、どってことない! 通学は、勢いで乗り切る!」

滝沢「小林おはよ!」
瑠璃「滝沢君も、はやいね」

瑠璃のMO「教室にはまだ滝沢君しか来ていなかった。あれ? まさか休みになったとか? それともみんなズル休み!?」

滝沢「小林、全然濡れてなくね? チャリ通だろ?」
瑠璃「ちゃんとレインコート着てるから」
滝沢「ずるーっ」
瑠璃「滝沢君は? ジャージに裸足って……制服どうしたの?」
滝沢「乾かし中。革靴も浸水。しかも傘まで風でぶっ壊れてホント大変だったんだよ」
瑠璃「それはご愁傷様。中途半端に豪雨とか嵐とか、やめて欲しいよね」
滝沢「風呂上りみたいになっちまうしな。でも、小林は対策万全みたいだな」
瑠璃「まあね。私、皆勤賞狙ってるから」
滝沢「皆勤賞?」
瑠璃「1日も休まないっていう」
滝沢「健康優良児かよ」
瑠璃「みんな今日は来ないのかな?」
滝沢「どんどん雨強くなってるし、様子見てんじゃね?」

瑠璃のMO「そこへ先生がやってきた。なんと、今日は学校を休みにすると言う! そんなあ! 頑張って登校したのに! 先生が去り、私は脱力感に包まれていた」

滝沢「もう、帰るに帰れないよな」
瑠璃「様子見るしかないよね……」
滝沢「だな。小林は何する?」
瑠璃「自主勉!」
滝沢「はあ? 真面目かよ」
瑠璃「こんな時だから!」

瑠璃のMO「滝沢君しかいない教室で、私はヤケクソになって勉強を始めた。滝沢君は退屈そうに雨空を見つめていた。なんだか二人きりなんて妙な感じがする。はやく雨上がってくれ! 私は心の中で叫んでいた」
                
     (おしまい)
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