第４２話　全力ブルーサマー

「全力ブルーサマー」

■人物
琴美ちゃん（１６）高校１年生。
翔也くん（１６）高校１年生。

■本編　
琴美のＭＯ「地味で報われない、でも努力を続ける私たちに梅雨明けの季節が近づいていた！」

雅也「よう！　吹奏楽部のド下手！」
琴美「よう！　バスケ部の補欠！」
雅也「琴美、俺、レギュラー決まった」
琴美「え？　うそっ！　マジでええええ！？」
雅也「まあ、実力ってやつ！」
琴美「信じられない……」
雅也「ひでえな！」
琴美「私なんて、コンクールメンバーに選ばれそうもないのに……悔しい！」
雅也「俺と張り合ってどーすんだよ」
琴美「だって、お前は、私のライバルだからな！」
雅也「どういうライバルだよ！」
琴美「ああホント悔しい……。蛙も鳴く６月も終わりだって言うのに！　涙するのは私だけだなんて！　私だけ結果でないなんて！　絶望ですよ。絶望！」
雅也「そんな落ち込まなくても……。ってか、素直に俺のレギュラー昇格を喜べよ！」
琴美「（投げやりに）おめでと！」
雅也「うわっ。全く心がこもってない！」
琴美「ああ、もっと練習がんばろ！　朝練ももっと早く来よう！」
雅也「なら、俺も来るかな」
琴美「はい？」
雅也「俺も朝練早くきてお前と切磋琢磨しようかと」
琴美「それ、嫌味？」
雅也「いやいや」
琴美「絶対嫌味だよ！　あーマジか……」
雅也「でも、励みになるだろ？」
琴美「私たち、ライバルだから？」
雅也「そっ！　ライバルだから！」
琴美「くそー。私、本気の本気出す！　明日っから、全力で勝負だ！」

琴美のＭＯ「私の、いや、私たちの青くて熱い全力の夏は、まだ始まったばかりだ！」

　　　（おしまい）