第55話 秘密にロックンロール

文字数 871文字

■人物
愛ちゃん(16)高校1年生。
永井くん(16)高校1年生。

■本編
愛のMO「女子高に通う私に友達の女子たちは言う。小食で女子力高いよね、とか。バイトばかりで苦労しているね、とか。でもね! どれも不正解! みんな本当の私を知らないのだ!」

愛「ライブのチケット獲れたってホント!?」
永井「まあな。なぜかまた当たった」

愛のMO「カフェで中学の同級生の永井からチケットを受け取る。またライブに行ける! ホント生きててよかった! 私の人生はこのためだけに存在するようなものだ」

永井「お前、俺ばっかりに任せるなよ」
愛「永井はホント強運なんだよ! 最強だ!」
永井「俺こんなところで運使いたくねえけど」
愛「助かる! ホント助かる! 私、ホント抽選当たらないんだよ」
永井「日頃の行いが悪いんじゃね?」
愛「協力してくれてホントありがとな! 永井!」
永井「つーか、こういうことは女子同士でやれよ……」
愛「高校では、私、静かでか弱いお嬢様キャラで通しているので!」
永井「はあ? 猫被り!」
愛「なんとでもいえ! 今私はライブに行ける幸せバリアに包まれているから無敵なのであります!」
永井「それは、俺のおかげだろ……」
愛「感謝感謝!」
永井「大体、どんな猫被ってるんだよ……」
愛「それはねー。ルール1。お昼ご飯はメロンパン一つ」
永井「はあ? よくそれで持つな……」
愛「持たないよ? だからルール2。貧血で保健室に通う」
永井「倒れてんじゃん!」
愛「ルール3。バイトは家族の生活のため!」
永井「お前は朝ドラヒロインか!」
愛「これでも結構、このキャラ維持するの大変なんだから」
永井「本当のお前を知ったらみんなドン引きだな!」
愛「私の本性は永井しか知らないからね」
永井「俺はそこまで好きなバンドとかないし。オタクのお前の気持ちはわからん」
愛「ライブ、楽しんでまいります!」

愛のMO「永井に感謝しつつ、私は、ライブに行く妄想に浸った。今度のライブも弾けるぞ!」

              (おしまい)
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