第38話 炭酸ダイナマイト

文字数 748文字

「炭酸ダイナマイト」

■人物
紗良ちゃん(16)高校1年生。
健一くん(16)高校1年生。

■本編
紗良のMO「いつも君にバカにされてばかりいる、私の呪いを思い知れ! 真夏のお昼の教室で私は猛烈に振った炭酸ペットボトルを準備をして、何も知らない君の席へ突撃した!」

健一「え? この炭酸、紗良のおごり?」
紗良「うん。健一、のど乾いたかなーと思って」
健一「サンキュ!」
紗良「いえいえ。いつもお世話になっておりますので」
健一「ホント珍しいな。いつも1円単位で割り勘するし、紗良のキャラじゃないっていうか」

紗良のMO「ぬぬぬ! 明らかに警戒されている。ここは作戦を早く進めなくては!」

紗良「健一の好きな炭酸にしたんだよ!飲んで飲んで!」
健一「あー。俺、今、炭酸の気分じゃないんだよな。あとで飲むわ」
紗良「えーっ!」
健一「なに?」
紗良「いや……別に」

紗良のMO「な、なななんてことだ! 今飲んでおくれよ健一くん! 私は心の中で叫けびながら、必死で平静を装った」

紗良「(甘えるように)飲んでくれないの? 私の感謝がこもってるんだよ」
健一「めんどい……」
紗良「どうしてもダメ?」
健一「……わかったよ。飲めばいいんだろ!」

紗良のMO「やった! 炭酸ダイナマイトが炸裂するぞ! 私は思わず、健一から一歩離れた。それなのに、健一は、ペットボトルのふたを軽く回すと、すぐしめてしまった!」

紗良「えっ……あけないの?」
健一「ん? ああ。炭酸って、自販機で転がって出てくるだろ? だからこうやってちょっと空けて勢い殺すんだ」
紗良「へ、へえ……」

紗良のMO「って、そんな技があったのかあああああ! 私の心の中で不満な気持ちが爆発していた!」

   (おしまい)
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