第32話 雨の恋
文字数 706文字
「雨の恋」
■登場人物
森川 ひな(17)高校2年生。
小田 和人(17)高校2年生。
■本編
ひなのMO「昇降口で体に着いた雨粒を払う。六月の雨は本当に嫌いです。だって、あなたを近くに感じてしまうから」
小田「森川。ねぐせ。ひどいぞ!」
ひな「今朝ちゃんとセットしたのに……」
小田「女子は大変だな」
ひな「小田君はいいよね。野球部」
小田「坊主頭には坊主頭の苦労があるんだよ」
ひな「そうなんだ」
小田「ま、ねぐせも個性だからいいんじゃね!」
ひな「ひどーい!」
小田「じゃあなー」
ひなのMO「私の気持ちに彼は全く気づいていない。それは悲しいことだけど、自然に近くにいられるんなら、それはそれで幸せなのかもしれません……」
ひなのMO「雨は、今日も放課後まで降り続きました。野球部の練習も中止でしょうか」
小田「森川じゃん。帰らねーの?」
ひな「雨弱くならないかなって……」
小田「そろそろ晴れてほしいよな。あっ、また髪はねてるぞ」
ひな「これは……もう仕方ないの。個性だから。いいの!」
小田「なあ。森川……。来週練習試合あるんだけどさ……」
ひな「晴れるといいね!」
小田「その試合でさ。勝てるように、お前祈ってくんない?」
ひな「え? 私?」
小田「森川が祈ってくれたら、俺、勝てる気がすんだよな!」
ひな「い、いいけど……」
小田「じゃあ、よろしくな!」
ひなのMO「彼はそう言って雨の中を走り去っていきました。雨は本当に嫌いです。だって、あなたをもっと近くに感じてまうから……。私はあなたが試合に勝てるように、そっと雨の空にお祈りしました」
(おしまい)
■登場人物
森川 ひな(17)高校2年生。
小田 和人(17)高校2年生。
■本編
ひなのMO「昇降口で体に着いた雨粒を払う。六月の雨は本当に嫌いです。だって、あなたを近くに感じてしまうから」
小田「森川。ねぐせ。ひどいぞ!」
ひな「今朝ちゃんとセットしたのに……」
小田「女子は大変だな」
ひな「小田君はいいよね。野球部」
小田「坊主頭には坊主頭の苦労があるんだよ」
ひな「そうなんだ」
小田「ま、ねぐせも個性だからいいんじゃね!」
ひな「ひどーい!」
小田「じゃあなー」
ひなのMO「私の気持ちに彼は全く気づいていない。それは悲しいことだけど、自然に近くにいられるんなら、それはそれで幸せなのかもしれません……」
ひなのMO「雨は、今日も放課後まで降り続きました。野球部の練習も中止でしょうか」
小田「森川じゃん。帰らねーの?」
ひな「雨弱くならないかなって……」
小田「そろそろ晴れてほしいよな。あっ、また髪はねてるぞ」
ひな「これは……もう仕方ないの。個性だから。いいの!」
小田「なあ。森川……。来週練習試合あるんだけどさ……」
ひな「晴れるといいね!」
小田「その試合でさ。勝てるように、お前祈ってくんない?」
ひな「え? 私?」
小田「森川が祈ってくれたら、俺、勝てる気がすんだよな!」
ひな「い、いいけど……」
小田「じゃあ、よろしくな!」
ひなのMO「彼はそう言って雨の中を走り去っていきました。雨は本当に嫌いです。だって、あなたをもっと近くに感じてまうから……。私はあなたが試合に勝てるように、そっと雨の空にお祈りしました」
(おしまい)