第39話 こもれびアラーム

文字数 684文字

「こもれびアラーム」

■人物
絵里(16)高校1年生。
大輔(16)高校1年生。

■本編
絵里のMO「暑くてたまらない昼休み。木陰で眠る私の目隠しタオルを君がとった!」

絵里「ちょっと! 大輔! 眩しいでしょ!」
大輔「悔しかったらここまでおいで!」
絵里「子供かよ!」

絵里のMO「呆れた私は、両手で顔を隠して寝ることにした」

大輔「ミンミン、ミンミン、ミンミン!」
絵里「……今度は何?」
大輔「あ、アラーム的な?」
絵里「アラーム? セミの真似じゃん。しかも超下手!」
大輔「これで絵里さんを起そうと思いまして」
絵里「大輔はどうしてもこの私の眠りを邪魔したいようだが、私は寝るのだ!」
大輔「なんだよ、つまんねーの」

絵里のMO「あれ? 急に静かになったぞ。大輔は去ったのだろうか。まあ、それでいい。これでゆっくり休めると言うものだ。それにしても暑いなあ……」

大輔「キンコンカンコーン!」
絵里「……ん?」
大輔「(早口に)キンコンカンコーン!」
絵里「今度は何?」
大輔「ちゃんとしたアラーム」
絵里「はあ?」
大輔「だって、もう授業開始、5分前だからな!」
絵里「(飛び起きて)えっ! マジ!?」
大輔「うそー。やっと引っかかった!」
絵里「ああ、超ウザい!」

絵里のMO「私は悔しさをぶつけるように大輔から、私のアイマスクタオルを取り返した。なのに、ああっ! 眠気はもうどこかへふっ飛んでしまっていた! くそう。今度大輔が居眠りしようとしていたら、徹底的に邪魔してやる! 夏の日差しに私の心は沸騰した!」

        (おしまい)
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