2.吾輩のひとりごと。吾輩の辞書に「当たり前」という文字はない

文字数 683文字

(ご案内*こちらは短編集に掲載されていた「世界 〜What's the WORLD mean to you?〜」です。内容と音色を考慮し言葉の居場所を変更いたしました。2020.11.20)





吾輩の辞書に「当たり前」という文字はない。そんなままならぬもの、風の中に捨ててしまえ。

普通、当然、当たり前。それらには全て「この場においては」という前置詞が必要であろう。そんな視野の狭い言葉など、風の中に捨ててしまえ。

誰かの普通、この場の当然、社会の当たり前。それらがどうあれどうでもよい。必要に応じて寄り添おう、だが押し付けてくれるな。吾輩を従属させるなどそれらには決してできない。もう既知のことだろう。

吾輩はここにいてここに属さない。吾輩が属すのは己の人生のみ。必要に応じてどこにでも参加しよう、だが馴れ合いはしない。心通じ合うヒトがひとりでもいるのなら、それはきっと幸せな事。もう気付いているだろう。



貴方の世界はどこにある。家、学校、会社、地域、社会。普段見る場所慣れた環境、本当にそこだけなのか。そこにある常識、そこにいるヒトが、貴方の世界の全てなのか。

そこにある家庭内ルールが隣家においても同じ効力を持つのだろうか。その校則は他校でも通用するのだろうか。課内の決まり事が他社でも当然のごとく決まり事なのだろうか。この社会の暗黙の了解は万国共通で理解されることなのだろうか。

今そこにある辛い環境は、どこに行っても付き纏うのだろうか。

今そこにある幸せの環境は、どこに行っても付き添ってくれるだろうか。


ままならぬ世界で、何を信じよう。

貴方の中心は、どこにある。
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