18. 僕のひとりごと。言葉の架け橋を創り続ける大工さん

文字数 1,020文字

もし見たいものをなんでも見られるとしたら、君は何を見たい?僕は君の笑顔が見たい。



いつかの僕にとって、外の世界は恐怖だった。「いいえ」「いやだ」が言えない僕は、頭の中の「いいえ」「いやだ」を無視して世界に歩調を合わせた。とっても疲れたなあ。

今の僕にとって、外の世界は別世界。僕はもう、僕のペースで歩いている。

世界に合わせてわかった。合わせても、みんなが満足するわけではなく、みんなが認めてくれるわけでもない。

世界を見てわかった。僕が何をしていようと、世界は僕を放っておいてくれる。その中で、肌が合うひとたちが僕に寄り添ってくれる。それも、程よい距離感を保ちながら。

いつかの僕にとって、言葉は恐怖だった。伝えたいことが瞬時にまとまらず、きちんと届けられなくて、お話しが苦手だった。

今の僕にとって、言葉は希望。これがあるから楽しい。これがないと届けられない。お話しはいまだに苦手だけど、こうして書くことで僕は世界と手を繋いだ。


言葉が人と人を繋ぐ架け橋なら、僕はその橋を創る大工さん。そこに必要なのは機能性抜群の道具や見栄えではなく、メッセージ。まあ、物語の世界のみんなとあなたを繋ぐ、とってもニッチな大工さんだけど。小さい僕には、ちょうどいい。

そこに求めるものは拍手の数ではない。僕が好きだと言える世界を創ることだ。
たくさんの拍手があるとそれはそれで嬉しいのだろうけど、それは最重要ではなくて。
紡いだ言葉はきっと、その音を待ってる人のもとへ自由に羽ばたいていく。そう信じてる。気ままに滑空して、時折誰かの肩に舞い降り、寄り添い、対話する。それは僕の意図した羽音ではないかもしれないけれど、それでいいそれがいい。言葉は自由だ。


言葉は自由だから、風向きに合わせて形を変え、意味を変え、纏うエネルギーを調整する。僕はそう感じる。
怒りの言葉は胸を締め付け、悲しみの文章に触れれば気が塞ぐ。だからね、「微笑み」「ハハハ」「大好き」、僕はそんな言葉を寄せ集めがちで届けがち。僕が好きな世界はそんな世界だ。


そして思う。言葉そのものが僕そのものだ。それでいいそれがいい。


これからもきっと、僕は僕のペースで歩んでいく。その道中、誰か一緒にいてくれたら楽しいだろうし、たとえひとりでもきっとそれは独りぼっちとは違う。言葉で繋がるあなたがいる。


さあて。明日はどんな橋を架けようかなあ。

この橋の向こうで、君は何を見たい?僕は君の笑顔が見たい。

ねえねえ、見惚(みと)れてもいい?

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み