8.星のひとりごと。ねがいごと

文字数 666文字

君の街はきらきらしているね。ぼくがいる夜空より輝いているみたいだね。

きっとそれは、冬の楽しい季節をお祝いしてるのだと思うけど、君はどうして俯いているのかな。

なるほど、そうだよね。そういうときもあるよね。明るい場所を避けたい気分のとき、たまに訪ねて来るよね。

うん、いいんだよ。いまはたくさんの感情が重い色で君を包んでいるかもしれない。そうしてその色を感じきった先で、淡くて軽い色と柔らかな風が君を後押ししてくれるの。たぶんね。

きっといまは動くのはおやすみのとき。夜空でも見上げて、ぼくとおはなししようよ。


君の街は、どんどん色が変わっていくね。桜色の瞬間、新緑の季節、ひまわりの時間に、紅葉色のひととき、そして雪色の刹那。ぼくにはそんな美しい場所にいる君が、うんと素敵に見えるよ。君は、そこが好き?

ぼくはずっと真っ暗なところにいて、明るい場所では姿が見えないから、夜空(ここ)がいちばん落ち着くかもしれない。でも、もしできたら、桜色のときを君と過ごしたいかもしれない。

ここにいるとね、たくさんの声が聞こえるよ。たくさんの人が、ぼくに願いを託すよ。ぼくはそれを応援することしかできないけれど、みんなが守られますようにと、願っているよ。

君は、どんな願いを持っているの?

うん、言わなくてもいい。願いがなくてもいい。どんな心地でもいいの。ぼくは願うよ。君が、君の全てが、守られますように。そしてたっぷり、ぐっすり、満ち足りるまで眠れますように。ぼくはいつも、そう想っているよ。

夢の中で、ゆったり、のんびり、心ゆくまで甘えられますように。うん、おやすみ。
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