第70話佐々木家炎上と、陽平殺害計画(中華街爆破計画)

文字数 956文字

「東都の社長の家が燃えているだと?」
芳樹は、清水亜里沙からの情報に、首を傾げた。

清水亜里沙も、不審な表情だ。
「確かにホストにレイプさせて、SNSと暴露系で苛めたけどさ」
「佐々木家を燃やせとまでは指示していない」

夏子は(燃え上がる佐々木家の動画を見ながら)、一つの推測。
「もしかして、福田家炎上の模倣犯かな」
麻友は頷いた。
「ただ、面白がって放火しただけかも」

「落ち目の有名人をたたく、キャンセルカルチャーみたいなのかも」

君澤浩二から、連絡が入った。
「清水一家に見張らせていた」
「横浜の華僑が動いた」
「陳朱明の息がかかった連中のようだ」
声が低くなった。
「陳朱明は、福田家と縁が深い」
「福田家の復讐も考えられる」

清水亜里沙の表情が厳しくなった。
「福田家の焼死体はない」
「地下室から地下階段を降りて・・・陳朱明に助けを求めたかも」
「日本の極道とは、段違いの狂暴さだよ」

芳樹は腕を組んだ。
「佐々木家への復讐を果たして」
「俺たちにも復讐するのかな」

麻友が不安な顔。
「日本の極道とは、段違いの狂暴さって、どれくらいなの?」

君澤浩二が答えた。
「あいつらは、人の死肉も平気に喰らう」
「生きたまま、腹を切り裂いて、食べることも、ためらわない」
「放火とか爆破なんて、きれいなほうだ」

夏子の声が震えた。
「陽平の次の復讐は東都?それとも、私たち?」
茜は、芳樹にしがみついた。
「ねえ、私たち、どうやって戦うの?」

芳樹は、君澤浩二を見た。
「その陳朱明と抗争している奴知らねえか?」
「それと組んで、陳朱明と陽平を同時に潰す」

君澤浩二は、ニヤッと笑った。
「ああ、面白いな」
「華僑も一枚岩でないから」
「香港系、上海系、四川系、北京系、ロシア系もある」
「陳朱明を倒せば、横浜中華街が自分のシマになる」

芳樹の目が光った。
「先手必勝だ」
「速攻で動けないか?」

清水亜里沙は、含み笑い。
「その抗争相手に金を渡して」
「中華街を爆破しない?」

君澤浩二は、頷いた。
「北京系と、用心のためにロシア系を組ませる」
「食事中を狙って、花火をあげる」
「おれたちとは、わからないようにも、手を打つ」
「下手に動くな、ばれるほうが危険」
清水亜里沙が念を押した。
「後はまかせて、潰す時は、徹底して潰さないと、逃げられる方が危険」
こうして、「陽平殺害と中華街爆破計画」が動き始めた。
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