第25話東都銀行襲撃④

文字数 1,181文字

由紀と夏子の大騒ぎやSNSサイトでの大炎上にも関わらず、東都銀行松戸支店は、のん気に通常通りの営業を続けていた。
(松戸支店は、(本店営業指導部からの叱責を恐れ)東都銀行本店への本来行うべき苦情報告を行わなかった)
(本店の危機管理対策室も、SNS炎上を見過ごしていた)

芳樹は、午前11時に、非通知のスマホで、東都銀行松戸支店の不倫女子行員山下結奈に電話をかけた。
「山下様ですか?」

山下結奈
「・・・はい、山下と申します」
「どちら様でしょうか?何か御用がありますでしょうか」

芳樹
「匿名・・・報道関係者とだけ、申し上げておきます」
「実は、先日・・・とある者から・・・」
「言い辛いのですが、例の写真を提供されたのですが」

山下結奈の声が小さく震えた。
「え・・・例の写真とは?」

芳樹
「思い当たるフシがありますよね」
「上司の長谷部様との、熱いハグ、キス」
「場所は東都銀行松戸支店の通用口・・・暗い場所で」
「お相手は長谷部武さん、既婚者ですよね、結婚指輪をされていますので」

山下結奈
「あの・・・困ります」
「個人的なことですので」

芳樹は、語調を強めた。
「個人的であれば、銀行員でも不倫は許せると?」
「顧客の大事な資産を預かる銀行員は、本来、品行方正であるべきなのでは?」

山下結奈が沈黙した。

芳樹は、低い声になった。
「その手下は、投稿するって言っています」
「それと、ホテルにも行かれましたよね」
「その写真も、今、私の手元にあります」

山下結奈は泣き声になった。
「あの・・・困ります」
「何とか、なりませんか?」

芳樹は、冷たく言い返した。
「手下は、しつこくて、狂暴な性格です」
「いろんな情報網があって、銀行員の住所なんて、すぐに調べてしまいます」
「お宅のご実家にも言いかねない」
「それと、長谷部様の奥様にも」
「もちろん、東都銀行の本店にも」

山下結奈の声がまた震えた。
「お金で・・・済みますでしょうか」

芳樹は、突き放した。
「わかりません」
「警察とか、本店、あるいは支店の偉い人に相談しても、無駄です」
「相談した時点で、あなた方の不倫が公けになるのですから」
「お金の問題ではなく、品行方正であるべき銀行員の倫理の問題です」


芳樹が山下結奈を「苛めている」間、由紀は山下結奈の不倫相手長谷部武に電話をかけていた。(由紀のほうが、直接的だった)
「ばらされたくなかったら、最低100万」
「子分を取りに行かせる」(実際、組の子分を使った)

芳樹は、山下結奈から、50万を取った。(由紀の組の子分を使った)
取られた現金について、不倫行員二人は、結局泣き寝入りするしかなかった。
「誰に知られても困る事実」であるし、誰にも相談できなかった。
それと、東都銀行本店危機管理対策室が、ようやくSNS炎上に気づき、松戸支店に臨店して、厳しい注意が行われていたのである。(とても個人的な不始末など、言える状態ではなかった)
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