第58話亜里沙と芳樹②

文字数 1,154文字

亜里沙が風呂の中で、芳樹に語ったことを要約すると、

・亜里沙の実家(極道清水一家)は、風間組との抗争に負け、傘下に入った。
・負けた原因は、風間平蔵の裏切り。
・南関東を支配していた清水一家と北関東を支配していた風間組は、互いにシマを荒らさず、共存共栄が取り交わしていた掟。
・しかし、風間平蔵は、関西最大の有馬組とひそかに結び、清水一家に様々な抗争をしかけた。(有馬組の南関東進出の後ろ立てになった)
・亜里沙の父(剛士)が、風間平蔵を問い詰めた時には、手遅れだった。
・逆に有馬組と風間組の連中が、清水一家の本部に乗り込んで来て、亜里沙の父(剛士)は、殺されてしまった。(警察にも手を回され、拳銃自殺扱い)
・その後、一人娘の亜里沙は、(10歳の時)から、カタキの風間平蔵の家で育った。(拉致状態)
・由紀の世話をさせられた。(悔しくて涙が出たが、我慢した)
・陽平も、陽平の婚約者の佐々木真鈴も、よく知っている。

少し長い話となり、芳樹は由紀たちが気になった。
それを言うと、亜里沙は笑った。
「心配ない、飲み物に強めの眠り薬を仕込んだ」
「1時間で、寝る」

亜里沙は、話を続けた。
「途中から、組の帳簿を任されたの」
「経理も好きだったから、会計士の資格も取った」

芳樹は率直な疑問。
「抗争相手の組の娘に?大事な金を任せるのか?」

亜里沙
「傘下におさめた、と言っても、清水一家はなくなったわけではない」
「私のオヤジを慕う子分も多い」
「だから、私に経理をやらせて清水一家を懐柔、度量の大きさを見せる」

芳樹は、亜里沙を横抱きにした。(亜里沙は蕩けるような顔になった)
「亜里沙姉さんは、復讐したいのか?」
亜里沙は、芳樹の局部を握った。
「親のカタキだよ」
「風間も、有馬も」
「許せるわけがない」

芳樹は念を押した。
「相手は、平蔵だけか?」

亜里沙は頷いた。
「犬に食わせたい」

少し間があった。
「風間組は・・・当面、実質的に乗っとるだけでいい」
「風間組も男の後継がいない」
「実は、それも弱点」
「君澤浩二は、あくまでも武器でしかない」

芳樹の心に、突然、陽平の顏が浮かんだ。
「そこで、陽平か?」

亜里沙は、頷いた。
「陽平は、東都の次期当主、そのうえ、風間と有馬も裏で支配する」
「陽平も納得している、だから、この屋敷にも、よく来る」
「風間平蔵は、それで安心しきっている」

芳樹は、亜里沙を深く抱いた。
「俺の役割は?」
「難しくて、よくわからん」

亜里沙(身体はピンクに染まった)
「由紀とか、ガキ娘たちのご機嫌を取って欲しい」
「特に由紀は、芳樹に惚れている」
「だから、組も芳樹を無碍にできない」
「でも、そうして、安心させておいて、後でガツンと」

芳樹は力を強めた。
「俺は芳樹と東都を狙う」
「亜里沙姉さんは、風間と有馬」

次の瞬間、亜里沙の身体は、芳樹の身体を完全に支配した。
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