第1話

文字数 1,853文字

これは、魔王が倒された2年後のお話。

「貴祢ー!!!」
「雅久!どうした?」
高峰貴祢、かつての魔王討伐パーティの主導者。
2年前、9人の仲間たちと共に魔王を討伐した。
その後貴祢たちと合流して旅をしたのが秋野瀬雅久率いる6人組。
旅が終わってからはそれぞれが自分の生活を送り、集まることはあまり無かった。
「世界の狭間、って知ってるか?!」
「知ってるけど……それがどうかしたのか?」
「知ってるなら話は早い!!そこで異変が起きてるみたいなんだ!!!」
「え……?」
「だーから!!!!怪物が世界の狭間で悪さして、人間を成仏させないようにしてるんだ!!!!」
「なるほど……怪物、久しぶりに聞くな――」
「俺様たちが倒しにいこうぜって話そうとしてたんだ!!!」
「――自分たちが??」



「――――ということで、迎えに来た。」
「……そんなことが。」
1人目の仲間、三堂御世汰。いつも無気力な感じで塩対応だが、自己肯定感とプライドは高い。今は大学生をやっているが、2年前は回復役を担っていた。
「来てくれるか?」
「……勿論、そんな面白い話があるなら。」
「ありがとう。それじゃあ、葉加の場所は知ってるか?」
「ああ。一応……」


「え!?冒険ってこと!?いくいくー!!」
2人目の仲間、古保志葉加。マイペースで自由人だがコミュニケーション能力が高くハイテンションだ。
今は……除霊師?をやっているらしい。2年前は見事な剣術で敵を翻弄していた。
「よかった。ありがとう。あと場所を知っているのは――」

「どうしたの?貴祢、急に呼び出したりして。」
「俺っちのことが恋しくなっちゃった〜??」
この2人は椎名の双子、満紘と光紘だ。
満紘はしっかり者で優しくて包容力の塊みたいな人。今は大学に通いながら塾講師をしてるらしい。
光紘は……チャラい。でもやる時はやる男。今は科学者として研究を行っているらしい。
「――――ってことがあって、また一緒に戦わないかって誘おうとしてたんだ。」
「……光紘はどうするの?」
「俺っち?!一緒に行きてーけど、満紘が行かないなら行かねーかも。」
「いや、光紘が行きたいならボクも行くよ。」
「2人とも……!!!いいの!?ありがとう!」
葉加が目をキラキラさせる。
「葉加くんも、久しぶりだね。」
「そういえばよーかちゃんとみよたくんには全然あってなかったな!」
久々の再会に皆が喜んでいるようだった。
「あとまだ誘ってないのは誰なんだい?」
満紘が質問する。
「あとは――真吉と李織と、玲亜二と千多喜、あと絢瑠かな。」
一野谷真吉と上田李織。京坂玲亜二と楠千多喜、天沢絢瑠と、みんな癖の強いメンバーだ。
「じゃあ俺っち達が玲亜二くんと千多喜くん誘ってくるぜ!マキちゃんとリオちゃんは頼んだ!」
光紘、頼もしくなったなと貴祢は思った。


「私は全然構いませんが……真吉はどうでしょう?大学のこともありますし…」
李織が困惑した様子を見せる。李織は2年前、真吉のお世話係として旅に参加していたが、本格的に真吉の家の執事になったらしい。
「おれも行きたいけど……親がなんて言うか分かんなくて。」
真吉は家がお金持ちで教育にも力を入れている。
だからこそ親のことを思って迷っているのだろう。
「親に聞いてみて、後で連絡するでもいいか?」
「ああ。それで大丈夫だ。」

李織と真吉は保留、ということで満紘たちと合流する。するとそこには……
「貴祢ー!!久しぶりだな!!」
「貴祢……変わってないな」
玲亜二と千多喜がいた。
「わしもおるぞい♪」
「絢瑠!?」
1番見つからなそうな人がすぐ見付かって驚く貴祢。
「なんか、玲亜二くんと千多喜くん探してたらアヤさんもいたから皆連れてきた!!みんな旅いいってー!!」
「そうなんだ……あ、それじゃあ雅久と合流しなきゃ」


「貴祢!!!!どうだった!?!」
「この通り……真吉と李織は保留だけど、それ以外のみんなは来てくれたよ。」
「おーーー!!!!!!皆!!!!久しぶり!!!!」
「……うるさい」
御世汰が嫌そうな顔をする。
「あ、李織からメールだ。」
「なんだって!?!」
「李織と真吉、一緒に行けるって!」
「やったなーー!!!!!!」
雅久が大声で喜ぶ。

「うちらも一緒だからねー!」
雅久の妹、芹が言う。
どうやら雅久の仲間たちも集まったようだった。
雅久の仲間たちは雅久含め6人。雅久の妹、若干ブラコン気味な秋野瀬芹、性悪サイコパス笹西聖、ちょっとメンヘラ気味だけどいい子な楳下六花、天然で何を考えているか分からない來見初、普段は優しいけど芹のことになると豹変する芹のモンペ、二科紗楽だ。
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