第15話

文字数 865文字

大剣を持った葉加は助走をつけて一気に敵を切り裂く。
紗楽も盾で敵の攻撃を防ぎながら剣で応戦する。
それに感化された貴祢も槍を持ち直し戦いに参加する。
しかし敵も攻撃を受けっぱなしではいられない。
すぐに反撃の魔法を放つ。
敵が放ったのは風が刃のような形になり勢いよくこちらへ飛んでくる魔法だった。それが葉加の頬を掠める。
「いって!」
葉加は頬から流れる血を手で拭き取る。
紗楽も敵の攻撃を上手く盾で防いでいるが、それでも少し傷が見える。
満紘はというと、敵に攻撃する暇もなく魔法を避けたり弾いたりするだけで精一杯だ。
貴祢の槍も敵に当たることはほとんどなく、敵の反撃を受けてしまう。
そんな時、敵がまた魔法を放とうとしているのが見えた。
「また魔法が来る!」
葉加が叫ぶ。
「みんな、避けて!」
貴祢の掛け声に反応し、全員が散り散りになって避ける。
「みんな大丈夫?」
満紘が声をかける。
「私は平気です!」
紗楽も答える。葉加と貴祢は?と聞こうとして横を見た時、
「満紘!」
満紘が横をむいた隙に敵が魔法を放ったのだ。
「うぐっ……!?」
それを避けきれずまともに受けてしまう満紘。
しかし敵の攻撃は止まない。すぐに満紘に向かって次の魔法が飛んでくる。
覚悟した満紘は目を瞑って耐えようとする。すると――
「諦めるな!」
葉加が叫ぶ。
満紘は目を開けた。すると目の前に葉加が居たのだ。
「葉加……?」
葉加が大剣で敵の魔法を切り裂いた。
「満紘、大丈夫?」
「ありがとう。葉加のおかげだよ。」
敵が魔法を放った隙に貴祢と紗楽も敵に攻撃する。
その攻撃が効いたのか、敵の動きが鈍る。
「今だ!一気に畳み掛けるぞ!」
貴祢の掛け声で3人は一斉に攻撃を仕掛ける。
もうあと一歩、の所だった。
敵が今までになかった動き方をする。
「危ない!強力な魔法だ!伏せて!」
満紘が叫ぶ。ドンという爆発音と共にさっきの門番に落ちたような雷魔法が再び落ちる。制裁の魔法だ。
「無事か!?」
貴祢が3人の方を見る。しかし――
「紗楽!しっかり!」
「……っう、ああああああああああ!!!!!」
「紗楽さん!!!」
その声は紗楽には届かない。
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