第13話

文字数 1,041文字

「……あなた、よそ者ですよね?」
村を見つけたは良いものの、目の前で門前払いを食らいそうになっている。
「この村にはよそ者を入れるなとのご命令が。そのためあなたを村に入れることは出来ないのです。」
うわぁ……と葉加は戸惑う。
とにかく自分にはもうどうすることも出来ないので、一旦元の世界へ戻ろうとする。戻り方は貴祢に教わった。
ここから南西にあるワープゲートから元に戻れる。
(ワープゲート……ワープゲート……)
「!?」
なんと、ワープゲートには先着がいたのだ。
しかも、体が透けている。それは死んでいることを意味する。つまり、世界の狭間から出ることは出来ないのにだ。
「あの……」
葉加が対話を試みる。
「うるさい!私はここから逃げ出すの!あんたなんかに邪魔させないんだから!」
「お、落ち着いてください!まずは話を聞かせて!?」

「――ってことがあって……私はここから逃げ出さなきゃ……」
「なるほど……」
話を要約すると、この女性はさっきの村の人らしい。
その村では怪物が政権を握っているようで、それに逆らうと精神的な制裁を与えられるらしい。この女性は制裁を与えられ、発狂して村を飛び出したところだそうだ。
「怪物の仕業……なんですね。」
「そうよ。あいつさえ居なければ、あいつさえ居なければ……!!」
「まずは落ち着いてください。俺たちが村に行ってその怪物を倒せば解決するんですかね?」
「たぶん、怪物を倒せば制裁の魔法も解けるとはおもうけど……あなたにそんな事が出来るの?」
ふふん、と葉加は胸を張って話す。
「俺、こんなだけど戦えるんですよ。仲間たちも連れてくれば、きっと勝てます。」
「あなた、頼もしいのね……」
それじゃあ、仲間を呼んでくるからと葉加はワープゲートに身を任せる。
すると視界が白んできて、来る時に味わった感覚と同じような感覚に包まれる。

葉加の帰宅後、別荘にて。
「――ってことがあって。」
葉加はそこに居た仲間たちに話をする。
「それ、異変じゃん!」
真吉が大きく声を上げる。
「一刻も早くそっちに向かわなきゃいけないね……」
「誰が行く?貴祢が決めた方がいいんじゃない?」
葉加はそう言う。
「そうか。それじゃあ……自分と満紘と、葉加と紗楽でどうかな?」
「貴祢、ありがとう。」
満紘は感謝する。
満紘は立候補してくれたから当然だよ、と貴祢。
「私も……がんばります。」
紗楽が覚悟を決めた顔でそう言う。
「まあ第1発見者は俺だし!俺もがんばるぞ!!」
葉加も気合いを入れ始める。
「それじゃあ早速準備して……早く行かなきゃね。」
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