第２７話

「――ということで、敵の本拠地へ向かう。」
貴祢が話を取りまとめる。流石はリーダー。無駄な所がない。
「それって……いつ行くの？」
「うーん、準備が出来次第、だけど今週中には行きたいね。」
仲間の素朴な質問にも答える。
今週中か……と、千多喜は正直自分には関係の無いつもりで聞いていた。
「それから、向かうメンバーについてだが、自分、真吉、玲亜二、千多喜、初の5人でどうかな。バランスも取れていると思うんだけど。」
「……うん、俺もそれでいいと思うよ。」
玲亜二が賛同の声をあげるとほかの仲間も賛成意見をとばす。
千多喜はまだ自分が呼ばれた実感がわかずその波に乗り遅れてしまっていた。それを見兼ねた貴祢が声をかける。
「……千多喜？大丈夫？」
体調が悪いなら休んでね。とフォローも欠かさず行う。

「……いや、大丈夫だよ。頑張るね。」