第24話

文字数 644文字

「なんだ。良かった。」
安堵した様子を見せる雅久。
「……はあ?何がだよ。」
それに聖は突っかかる。
「俺様のこと、嫌いって言われたら――立ち直れなかったかもしれない。」
「何だそれ。気持ち悪い。」
「だって……俺様が一番仲良いと思ってるのは、聖だから。」
雅久は泣きそうな目をしながら聖を見る。

「憎くてもいい。また俺様と、仲良くしてくれ。」
「……こんな裏切り方したのに、まだオレを見捨てない気かよ。」
聖は下を向いて笑う。
「だって聖は――俺様の大事な、「仲間」だから。」




「話は終わりましたか?」
「!?李織!?」
どこからともなく現れた李織に驚く二人。
「お二人だけお話されてるなんてずるいですよ……私も混ぜてください、ね?」
そう言って李織は聖の方へと手を差し伸べる。
「聖さん……私とも、「仲直り」して下さいますよね?」
「あ、ああ。」
そして聖はそっとその手を握り返す。
(食えない奴……!)
そんなことを思いながら、李織と聖も「仲直り」をする。
「そうだ。聖。このことはあいつらには黙っていておくからな。聖の思いに気づけなかった俺様も悪い。」
「……ありがとう。」
少し目を背けて、間を置いてから聖は雅久に感謝する。
それから3人は元の世界へと戻っていくのだった。


「敵の本拠地!?」
貴祢がこんなに大声を出す時はなかなかない。よほどびっくりしたのだろう。
「ああ。本当にそうかは分からないスけど……それらしきものは発見してきました。」
聖が仲間へと報告する。
貴祢たち16人が敵の本拠地へ向かうのも、そう遠くは無いかもしれない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み