interlude Devil Side/悪魔の企み
文字数 2,246文字
―――時は戻って1日前。
別乃世とアーマが買い出しに出かけた時に遡る。
居場所の感知は当然できる。
・・・ゆっくり離れていくのがあのアホだな。
そして・・・やはり。
遠く離れた場所に小さな気配がひとつ。
それと一緒に、さらに小さな気配が3つ、か・・・
くっくっく・・・
悪魔トリカラ・マイウーは邪悪な笑みを浮かべた。
夜の闇に―――
誰にも聞こえない悪魔の高笑いが響き渡る。
といってもこのビルは古く、放置されているものである。
それを勝手に使っているのか、はたまた誰かの身内の持ち物なのか。
そこはいつしか、若者たちがたむろするようになっていた。
僅かな躊躇いもなく犬歯を突き立てた。
血の筋が首を伝う。
だが、その量からしてあまり深い傷ではないようだ。
―――何が起こっているのか。
にわかに信じがたい出来事に思考が麻痺していた二人は、いつの間にか後ろに回っていた中年男2人に、がっしりと両肩を押さえつけられていた。
ナツミが背を向けた状態であり、押さえつけられた二人からは死角となっているため、何が起きているのかはっきりとは分からない。
分からないが、ナイフで刺した傷口付近をまさぐる怜子と、それに合わせて上がるナツミのうめき声から、猟奇的な何かが行われていることは容易に察することができた。
見る間にナツミの足元に血溜まりができていく。
初めは暴れていた彼女も次第に抵抗する力が弱くなり、今や弱々しく呻き声を上げるだけとなっていた。
そして。
場違いに明るい笑みを浮かべる少女。
二人は怯えて声も出せない。
~ interlude END( and death is open … )~