interlude ~シスター・カッドロゥ~
文字数 1,209文字
ひとりのシスターが、信者の手を借りながら細々と活動している。
今日も一日の務めが終わり、シスターは神に祈りを捧げていた。
シスター・カッドロゥよ・・・
神の力の代行者、シスター・カッドロゥ。
邪悪な気配が強まっています。
初めは小さな気配でしたが、それは日増しに増大しています。
・・・止められるのは、代行者シスター・カッドロゥ。
貴女だけです。
我が主の楽園を穢す悪魔どもを浄化するのです!
私に判るのは、邪悪なるものが現れたという事実のみ。
悪魔の居場所については、貴女が探し出すのですシスター・カッドロゥ。
―――これは試練です。
貴女が―――貴女たち神の御子が、自らの手で邪悪を退けるのです。
さすれば必ずや、いずれは神の世界へと導かれることでしょう。
・・・あと、今回の件では上位の悪魔の関与が想定されます。
悪魔は身を潜め、唆した人間の陰に隠れて行動します。
悪魔が力を使わねば、その存在も感知できませんが・・・
心して任務にあたるように。
貴女の手に余ると判断した場合は、私を呼びなさい。
私が降臨し、直々に浄化します。
・・・ですが忘れぬよう。
我が主が望むのは人間の自立。
我ら天使の助けなく、人間たちが自らの手で悪魔に打ち克つ力を持つことです。
神の敵を討ち滅ぼし、神の楽園を護るのです。
シスター・カッドロゥは悪魔祓いである。
唯一神の創り賜うたこの楽園を穢す悪魔を尽く殲滅する使徒である。
銃剣の類を持つことが許されないこの国においても任務を遂行できるよう、その身体能力は研ぎ澄まされ、その徒手空拳は達人の域にある。
それに加え、天使より授かった数々の神秘術は、下等な魔物のみならず、並みの悪魔をも浄化するに至る。
―――悪魔祓い、シスター・カッドロゥが狩りに出る。
悪魔、邪神、魔物、そして異教徒・・・
神に仇なすあらゆる存在を、彼女は決して許さない。