breaktime
文字数 2,640文字
まぁ、贅沢な話だがな。
この世界―――というか、この国では「いい学校を出て」「就職して」「結婚し」「子供を作って」「定年まで働いて」「老衰で死ぬまで」「生きる」ことが一般的な幸福な人生であるとされている。
それ自体、確かに幸福なんだろうが・・・
「生きる」のではなく、「生きなければならない」。
無論、死にたくはない。
だが、60年も70年も生きるつもりもない。
そのまま野垂れ死ねばいいんだろうが、周りはそう簡単には死なせてくれないだろう。
「人生まだまだこれからだ」、「生きたくても生きられない人もいるんだ」とな。
まぁ言い分は確かに分かる。
きっとそれは正しいんだろう。
それでも、「終わりたい時に終わらせる自由」っていうのが、俺は欲しい。
生きることが義務になっているこの世界は、俺にとっては窮屈なんだ。
・・・分かりました。
それが正しいことなのかは分かりませんが、別乃世さんがそう望むのであれば、それに相応しい世界へ、必ず送り届けることを約束します。
―――ですが、むやみに死のうとは考えないでくださいね?