探偵 ~螺理多・極~
文字数 2,778文字
13時過ぎ。
ビラ配りの少女に言われたとおり、別乃世たちは探偵事務所を訪れた。
まぁまずはお話を伺いましょう。
大丈夫、依頼を受理して契約書を締結するまでは料金は発生しません。
契約後についても、当初の契約以上の料金が掛かるようなら再度ご意向を伺いますし、諸経費についても見積もりを超えるようなら事前にご報告いたします。
そういう特殊なお店があることはもちろん知っている。
探偵報酬を支払う分をそちらに回せば解決だというのも分かる。
だが、お店ではちょっと解決できない問題がありまして・・・
人の血肉、体液を求める。
それでいて特定の誰かのものではない、と。
―――では結論。
キミは何か病気のようなものを患っていて、それは医者では治せない。
そこに現れた霊能力者か宗教関係者から「人の血肉を手に入れれば病気は治せる」と言われ、ここに相談に来た。
どうかな?
では解決策ですが・・・
キミは何もしなくていい。
いや、キミが病気であって、藁にもすがりたいという気持ちは分かる。
だが、その霊能力者はただの詐欺師だ。
人の血肉で病が治るなんていう現実は・・・厳しいことを言うようだがありはしない。
ですが、キミたちが真剣そのものであることは伝わります。
―――ですので。
僕としてはキミたちが、その自称「悪魔」に騙されているものとして質問させてもらいます。
何か、今の話を客観的に信じられるような証拠はありますか?