黒い革靴

文字数 139文字



祖父が逝ってから20年。祖母は毎日、祖父の革靴を玄関に置いていた。女の一人暮らしは怖いでしょ。防犯の為にね。祖母は、いつもそう答えるのだった。黒く磨かれた革靴に祖父への変わらぬ愛情が表されていた。そんな祖母が先日、亡くなった。伽藍とした玄関で、私はそっと祖母の靴を革靴に並べた。
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登場人物紹介

作者の作品を、温かく見守る謎の老婆。


『冥土の土産は出来たのかい?』

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