第41話 恵果阿闍梨

文字数 4,067文字

朝、目覚める度に両の手のひらを見つめ、自分がまだこの世に生きているのだと確認する小柄な老僧がいた。

有難い、今日もまた生き永らえそうですぞ。
と東の空から昇る朝日に手を合わせる彼の名は、恵果(けいか)

今年で齢六十。長安の南郊にある青龍寺で千人以上の弟子に法を授ける密教の第一人者である。

わが師不空様よ、ゆうべは懐かしい人がわが夢に現れました。

彼が日輪に手を合わせる時、密教の師で育ての親もあった不空三蔵(ふくうさんぞう)に語りかけるのが日課になっていた。

我が夢においでになられたという事は、もうあの方は命を終えられたのですな…

と強く目をつぶり、恵果は25年前に青龍寺を訪れて「この寺で教えを請いたいのです」と地に額を擦り付ける倭国から来た僧侶、戒明(かいみょう)を門前払いしてしまった事を今、とても悔やんでいた。

「顔をお上げください、はるばる海を越えて来られた僧侶よ」と恵果は丁寧な口調で戒明に辛抱強く呼びかけてやっと立たせ、

「確かに見た所、あなた様には我が密の種を受け取る体力も気力も教養も備わっている…しかし、『あなたではないのだ』」

となぜか根拠も無いのにそう断言してしまったのだった。

不空様。

あの時、戒明どのは寂しそうにお笑いになり、

「やはりそうでしたか」とだけ仰るとそのまま背を向けて去って行かれました。
それから間もなく、あの方は帰国されたと聞きます。

あの方は門前払いされる事が最初から解っていてこの寺に来たのかもしれない。と今では思うのです。

何故そう思うのか?まあ昨夜見たとんでもない夢の内容をお聞きください。

私は空の高い所から、今まさに上昇しようとする龍の形をした小島を見下ろしていました。その小島からすごい勢いで日輪の如き光の玉が飛び出し、私を包み込みました。眩しさの余り袖で眼を覆った次の瞬間、

私は青い海の中、一槽の小舟に乗って釣りをしている自分を発見しました。

僧侶である自分が殺生禁止の戒めを破って何故釣りを?

と思って釣り糸を上げると、糸の先には重しだけ付いていて、針は無いのです。
私が訝しんで仕掛けを見つめていると、

「釣りとは孤独な人の嗜み、と拙僧は思うのです。現世は釣った魚を見せびらかしてこれが我が人生!と誇る人多し、ですな」

と私の背後で同じく釣り糸を引き上げている僧侶…戒明どのに夢の中で再会したのです!

「お互い老けましたな、我が故郷の海へようこそ。恵果阿闍梨(けいかあじゃり)よ」と戒明どのは驚きましたか?と言わんばかりに片目をつぶってみせたのです。

「あなたはやはり、只者では無かったのですね!こうして異国の海に我が魂を(いざな)うとは。あなたはもう…」

と聞くと戒明どのはうなずかれて、

「おととしの夏のことだ。こっそり酒を飲み過ぎたのと晩年の過労でな」とわざと素っ気ない口調で言われた。

「なあ恵果阿闍梨」

「はい」

「たいていの衆生は釣った魚、つまり行いの結果を大きいだの小さいだの比較し合って生きて、釣った魚は雑魚なら食ってしまい、珍魚なら池で飼うであろう?自分の人生は実は釣り人である、と一生気付かずに過ごして死んでいくのが衆生」

「まあそうですな」

「我ら僧侶は釣りすらしない人生を選択する生き物だ。魚の生き死にもまた自然の流れであって、自分とは直接関係無い、と思うかもしれんが…
もし、だよ。懐に飛び込んで来た魚がいたら僧侶はどうすると思う?」

「元の水に帰しますが」

それがなあ…と戒明どのは含み笑いなさり、いつの間にか我が懐からひと抱えもある活きのいい魚を取り出し、

「この魚を、龍に育ててみないか?」

と私の懐にねじ込んだ所で夢から醒めました。

不空様。

あのお方は私の悩みを全て解っていて私の夢に現れたのかもしれませんね。

()を唱え、弟子たちに講義し、調合された薬湯を朝晩飲みながら一日一日を過ごす私の人生は…もう長くはないでしょう。

今や青龍寺は大陸各地から集まった肌の色も目の色も違う弟子たちを平等に受け入れ、活気あふれる寺になっております。優秀で善良な弟子たちにも恵まれ、その内5人の弟子に阿闍梨号を授けましたが…

私の密の種を授けるべき人物が、この寺の中には居ないのです。

「これと言う人物に巡り会わなかったら、お前の代で密の教えを終わらせてしまっていい!その方が間違った伝わり方をするよりましだ」

と生前、不空様は豪快に笑っておいででしたが…果たしてこのままで良いのか?という執着と迷いの渦から私は抜け出せずにいます。

「衆生は皆、孤独な釣り人…」と呟いて沈む夕日を見つめるのが、この頃の恵果の日課になっていた。

名は恵果。なれどもその心は虚無。


砂の降る街の西市(さいいち)の賑わいの中に空海は立っていた。

「学問ばかりしてても根を詰め過ぎて良くない。気晴らしに市にでも行こうぜ」と空海の宿舎である西明寺の僧、談勝(だんしょう)が自分と霊仙(りょうせん)を誘ってくれたからである。

「ええ匂いいしまんなあ…」
「そうだなあ…」

と日の本から来た二人の僧は、屋台の鍋の中でぐつぐつ煮える、白く輝く食べ物に釘付けになっていた。

「なんだ、お前ら饂飩(おんとん)が珍しいのか?」

と談勝はいい年して子供のようにはしゃぐ留学僧たち見て幸せなそうな奴らだな、と思い二人に饂飩を奢ってやった。

「う、うまいっ!」
「汁の味もあっさりしてて無駄に辛くなく、これなら故国の人たちの口に合います」

と空海は練った小麦に具を入れて煮た料理、饂飩の汁を最後まで飲み干してから屋台の料理人の料理の腕をほめちぎり、言葉巧みに調理法を聞き出して懐の帳面に記録した。

「唐の料理が無駄に辛くて悪かったな!っていうか空海」

「へえ」

「お前のその学習意欲というか、貪欲な知的好奇心には見ているこっちも頭が下がる。

お前ら倭国の留学生たちは皇帝陛下から賜ったお宝を全部売り払って金に換え、書物を買い漁って帰っちまう無礼な奴らだ、と昔から評判悪かったが先月お発ちになられた永忠さまやお前らに接していると…」

とそこで談勝が言葉に詰まったので、何でっか?と空海が聞こうとするのを霊仙が肩に手を置いて止めて、先輩僧が自ら話し出すのを待った。

「え、ええい!世界一の都、長安に居てひとかどの僧侶になったつもりでいた自分が恥ずかしいのだ。俺は、まだまだ学びが足りない…」

とこぼした先輩は銭を出して屋台の席から立ち上がり、行こう、と空海たちを伴って世界中のあらゆる異文化が日常に溶け込んでいる西市の光景を楽しんだ。

「仏教だけでなく、色んな宗派の寺院もあるのですねえ…」

「うむ、道教、回教(イスラム教)、景教(キリスト教ネストリウス派)、摩尼教(マニ教)…数え上げたらきりがない。ところで空海と霊仙」

「はい」

「お前たちが醴泉寺で梵語を習い始めて二か月経とうとしているが、あの般若三蔵さまがお前たちの上達ぶりを褒めちぎっているそうだな?特に空海、お前は経典を頂いたとか」

へえ…と空海は照れて剃髪の頭を掻いた。本当は故国の久米寺で読んだ大日経の全てを知りたい、という目的で留学した空海だが、

「大日経を全て学びたかったら青龍寺の恵果和尚がその道の第一人者だ…しかし、あのお方から教えを請うには密教に使われる梵語(サンスクリット語)を修めていないと青龍寺に行っても門前払いくわされるだけだぞ」

と空海に宿舎の部屋を明け渡して帰国した永忠の勧めで天竺僧、般若三蔵(はんにゃさんぞう)牟尼室利三蔵(むにしりさんぞう)のいる醴泉寺(れいせんじ)に通い、日夜梵語の勉強に励んでいる。が…

倭国から来た僧侶二人、梵語の上達異様に早く、一人は般若三蔵様の経典翻訳の助手に付き、一人は経典を与えられた。と長安中の僧侶たちの噂になっている霊仙と空海であった。

「おまえらは故国ですでに梵語を習っていたんじゃないか?というのが長安の僧たちの憶測でな…代表して俺に梵語上達の秘訣を聞いて来い、と頼まれたんだ」

と、褐色の肌をした商人が売る甘い匂いのする(ちまき)を3つ購入し、談勝はほれ、と霊仙と空海に1つずつ渡した。

「成程…文字としての梵語はすでに倭国に伝わっていたのか、この菓子は俺の子供の頃からの好物でな」

と外の葉っぱを剥いて練った小麦に干したを果物を混ぜて甘味を付けた蒸し菓子に、無邪気な顔をして談勝はかじりついた。二人もそれにならって菓子を一口かじると、あまりの旨さに同時に「甘いっ!」と歓喜の声を上げた。
「そうだろ?」と気を良くする談笑に

「へえ、故国の偉い坊さんが梵語の経典を収蔵してはったんです。それで文字だけは書きつけて覚えましたが読み方はどうしても」

空海たちの梵語の習得が早かったのは偉い坊さんこと実忠が東大寺の秘密の書庫を開き、師の良弁僧正(ろうべんそうじょう)が遺した梵語の経典を見せてくれたからである。

「これは梵語。佛の生まれた国、天竺の文字じゃが…実は、わしも読み方を知らん。二人にはできれば読み方を覚えて帰って来てほしい」

ときっぱり言い切った実忠の青い目を、空海は眼前を通り過ぎる白装束の一団の中に見つけた。拝殿らしき建物の中に入った一団は、中央で焚かれる火に供物を捧げ、何か祈りを唱えている。

「ああ、あれは拝火教徒(ゾロアスター教徒)だ。火を神聖なものとして崇拝し、何かにつけて火を焚くのだ」

「そういえば、実忠様のご両親は唐から来た胡人の商人で拝火教徒であったと聞く」

と霊仙が儀式を見ながら急に思い出した奈良仏教の最高権力者の出自を語り始めた。

「奈良には青い目の僧侶は実忠さましかおりませぬが」

「60年以上昔のことだが…奈良で仏教徒以外を排斥する動きがあり、異教徒はほとんど国外追放されたそうだ。おそらく実忠さまはその時親と離れて寺に入れられたのだろう。実はな、空海」

「はい?」

「東大寺の二月堂の修二会(しゅにえ)な、あれは実忠さまが始められた火と水の儀式だが、もしかしたら今見ている拝火教の儀式が元なのではないか?
あのお方はとうに滅んだ胡国とご自分の先祖が崇めていたものを忘れないために、奈良の仏教に取り込んだのかも…」

「わしもそう思います」

祭壇の中で躍る炎を、美しい。と魅入る空海の目の輝きに霊仙と談勝は、

この男はその内今いる所から飛び出すだろう。という危うさを感じた。

空海が青龍寺恵果を訪ねるまで、あと二か月。





















































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登場人物紹介

空海、本名は佐伯真魚。香川県善通寺市出身の裕福な豪族のせがれ。学業優秀で長岡京の大学寮に入るが、そこで遭った悲劇が彼を仏門に向かわせる。

嵯峨天皇(神野親王)桓武天皇の第二皇子。

問題だらけの平安京に真の平安をもたらす名君。空海とは生涯の友になる。欠点、浮気性でパリピ。

橘嘉智子

嵯峨天皇に最も愛され、橘氏出身の唯一の皇后となる。仏教への傾倒は人生から逃げる術。

私は和気清麻呂。「これから起こる悪い事全部怨霊のせいにしちゃいましょう」と御霊信仰の悪知恵吹き込みました。

本音?桓武帝が起こした人災だろーが。

藤原薬子です。後に悪女呼ばわりされる私も言い分いっぱいあるんですのよー

嘉智子さまお付きの女童、明鏡です。薬子登場でなんだか不穏な予感…

空海に山岳修行教えた勤操ですぅ〜。時々奈良仏教の中間管理職としてぼやきます。桓武帝と戒明じいさんとの因縁ってなんやろな?


役行者六代子孫にして作中最もヤバいおっさんタツミ登場。わし空海のエグい修行生活のはじまりです。

新キャラ藤原葛野麻呂、空海を唐に連れて行く貴族です。私の顔は東寺の帝釈天像がモデルです。イケメンですよー。

兄貴、自分の息子の誕生祝いで不倫ばれてんじゃねーよ…って親父に対して正論で返してるし!義理の叔父、田村麻呂初登場。

by嵯峨帝

ふっふっふ。俺様は修験者の頭タツミ。真魚よ、よくぞ試練を乗り越えたな…っていつまでも妻の手握ってんじゃねえ!

若き日の坂上田村麻呂も絡む平安ミステリー、藤原種継暗殺事件の真相です。


最新話まで話を読んできた登場人物全員の心の声


「そりゃ祟られるわ!!」

実在した前の遣唐使僧、戒明です。史実上の真魚との接点は不明です。唐から偽経を持ち帰ったとして失脚してた私の名誉回復をしてくれたのは空海だから最初に出会った師として登場。

荒行の末に悟ったもの。仏性、すなわち人の心なり。善行も悪行もそれを行う人の心次第。

やっぱりわたくし、親王さまを好きになっていたのね。(浮気者だけれど)

多治比高子です。嵯峨帝側室として寵愛された理由はインテリだった設定。

あれ?「あの四重奏ドラマ」のエンディングシーンみたいなことしてない?

三行指帰現代語訳コント風、はじまりまじまり〜

何これ⁉︎空海の書いた話おもしれーじゃん!と吠えて宮女に叱られる神野。三教指帰は日本初の小説と呼ばれる。

空海、実家に帰る。真魚が一番可愛いお母さん。激烈お兄ちゃん、実家あるあるな心配するお父さん。

空海の実家をそのまま父親の名前にしたのはオヤジ、ありがとう…グスッ(泣)の気持ちやったんや。

後の法相宗のトップにして東日本に仏教を伝える男、徳一の本心。

高雄山寺プロレス回。奈良仏教の裏番長、実忠しれっと初登場。

やっと最澄登場。美坊主泰範のせいで既に不穏な比叡山寺。

ある意味最強キャラ、朝原内親王登場。

飛べない小鳥、から明鏡の出生の秘密編へ。

尚侍明信の罪は亡国の姫、明信の若き日の過ち。

「陽の下の露」冬嗣の長男、藤原長良誕生。ちなみに薬子と葛野麻呂の不倫関係は史実です。

「風が吹く」遣唐使に選ばれなかった空海に起こったありえへん奇跡。それにしても徳一口悪ぃな。

桓武帝が仏教勢力を叩いた理由は脱税摘発のため。しかし宗教法人を使った脱税って1200年経った今でもやってますなあ。

「受戒」どーもどーも、三論宗のアイドルにして空海の頭を剃った勤操ですぅー…ってじいさんどないしたー⁉︎

最初の師戒明との別れ。わし、行ってきます。

「船乗り星」朝廷も一目置く宗像氏の濃いマダム登場。

どうもー、空海を唐に送り最澄を唐から連れ帰ってながらも後世にほとんど知られていない葛野麻呂。ここでは準主役です。

徳政論争回。現実的にこれ以上の東国進出は無理だった。徳川家康の次に鷹狩り好きな歴史上の人物として有名な桓武天皇の最後の鷹狩り。

仙境天台山、思えばこのひと時が最澄の一番の幸福だったかもしれない。

「崩御と即位」皇帝陛下の崩御と新皇帝の即位に立ち会っちゃった俺って持ってる〜。からの、カネが無いから2年で逃げ帰れ命令。

「聖俗同船」帰国できなかった遣唐使もいるんですよ…葛野麻呂の最澄へのツンデレっぷりをお楽しみ下さい。

「密の罠」帰国した途端最澄に降り掛かる悪意。

平安京を開いた帝の最期。これから不穏な平城朝が始まるー

秀才、橘逸勢にトリプルの悲劇。留学生たちの寂しさを癒す楽の音。

恵果と戒明との邂逅から三十年。やっと後継者に出会えた恵果。

まるで唐密教の滅びを予測していたかのような恵果の発言。実際にそうなります。

「遍照金剛」かくして遍照金剛空海誕生。で、何で俺様がナレーション?

「柳枝の別れ」長安出立前夜に明かされる霊仙の正体。次回から日ノ本、平城朝編。

「平城朝」最後の薬子の表情は読者さんのご想像にお任せします。

「春宮神野」

宮中も 女子回なければ やってらんない

by明鏡 字余り

「天皇の侍医」官僚として、医師として苦労する弘世の人生が始まる。

「謀」とうとう粛清に向けて動きだした薬子。朝原内親王、神野に迫る毒殺の危機。

「比叡山夜話」最澄に迫る危機。平城帝の悪意。

「翡翠の数珠」空海のせいでまた逸勢がヒドい目に遭うお話。

「阿保の本音」父平城帝への不信感が募る阿保親王。後に彼と妻の伊都内親王から生まれたのが在原業平。

前半の薬子の兄、仲成が起こした暴行事件。これ史実です。後半の勤操の述懐は創作ですが。

「咎人空海」空海、やっと帰国。あの三姉妹再び登場。

「海辺のふたり」空海だけを都に帰さなかった藤原縄主の思惑とは。この時代、芋粥は極上スイーツ扱いでした。

「白雪」兄帝の危険性を思い出す神野。

「神泉苑行幸」策謀に満ちた宮中。筑紫で布教を始める空海に届いた悲報…

「藤原家の毒薬」いつの世も女の仕返しって陰湿なのよねえ。

「譲位」嵯峨天皇が即位した夜に明かされる伊予親王の死の真相。冬嗣の胸に去来するのは怒りか、諦めか。

「実ちて帰る」主人公2人がやっと初対面。次回から第3章「薬子」のはじまり。

わたくし藤原薬子が主役の章、「薬子」、開始ですわよ。空海阿闍梨、神野の坊やとの初謁見でいきなりド不敬発言。

「橘の系譜」女性天皇が女性の部下に姓を与えた女性が始祖の橘家。

明鏡、家族と再会し、そして母になる。

「背徳」性描写あり。そして、薬子は悪女になった。

「真言の灯」最澄さまの千利休感と人手不足の密教。ある事で滅多になくブチ切れる空海。

「宮女明鏡」嵯峨後宮ベビーラッシュ。身籠った明鏡がこれまでの人生を振り返る。

「阿修羅」、怒らせるとシャレにならないレベルで怖い空海のダークサイド。

「東国の勇者」アテルイ回前編。13000vs500で朝廷軍にに勝利した巢伏の戦いと田村麻呂との対話。

「王の器」アテルイと田村麻呂の物語、後編。胆沢制圧戦後のアテルイ、田村麻呂、桓武帝。

真の王の器は誰にある?

どぅもー、宮中のイケオジ葛野麻呂です。「負の遺産」、宮女同士のマウントバトルが怖ぇわ…

「征夷大将軍殿の憂鬱」田村麻呂、愛妻とのフルムーン旅→ヒリヒリするような駆け引き。

「小鳥立つ」明鏡、13年ぶりに父との対面で思い切った決断を告げる。そして運命の子は誕生した。

「火の継承」

この時代の年明けのお祭り、修二会。ググった結果検索トップがさだまさしの「修二会」だったので公式の自分がまさしに敗けて悔しい実忠。

「智泉の祈り」

嘉智子さまへのマタハラ案件、「皇子を産め」とのたまう橘家の兄君たちにブチギレる空海阿闍梨。

「豪奢なる遁甲」嵯峨天皇vs平城上皇最後の争いが万葉サーカスの歓声の中始まる。


この回から三人目の主人公、ソハヤ登場。

「私刑」

池波か!とツッコミ上等な回。法具を本来の目的(明王の武器)で使う空海。

「なるほど、これがお役所仕事か」by嵯峨天皇

「隘路」、暗殺者集団土蜘蛛vsタツミ率いる修験者たち。薬子の変クライマックス前編。

「火宅」一万字越えの大作です。嵯峨天皇vs平城上皇最後の戦い後編。


藤原薬子と語らう老婆の正体は…

「徒花散る」失脚がそのまま死に繋がる全然平安で無かった平安初期の、最後の政変。


勝ってもあまり嬉しくない戦いでしたね…


by田村麻呂

第3章「薬子」終わり。後ろ暗い取引をしてもカッコいい俺様であーる。


by修験者タツミ

第54代仁明天皇こと正良誕生でおめでたい事からはじまる弘仁元年。

「弘仁おじさん」と呼ばないで。

by藤原冬嗣

明けましておめでとうございます。嵯峨天皇の叔母にして宮中屈指の美魔女、酒人内親王です。ここぞとばかりに気合い入った命婦たちのファッションと空海vs朝原の新春disり合い回で御座います…

若い頃の実忠さまはやさぐれていたなあ。

この世でやるべきこともやったし…じゃあね!

by和気広世

嵯峨天皇の兄、良岑安世の恋人の真名井でございます。「九条にて」はさあ、これから庶民と渡来人たちが活躍する平安アンダーグラウンドな物語の幕開け。

空海in伊勢神宮。朝原内親王より託されたとんでもない密命。

エミシ最後の戦士、ソハヤの人生のはじまり。

前半、終了。

険しい高野の山道を抜けるとそこは…異文化レベルの集落だった。

「丹生一族」パツキン彫金師、ムラートです。今回は丹生一族と秦一族と高野山のお話。



奈良の大仏建立時の人に言えない過去。老いた僧ほど暗い秘密を抱えているものなのですよ。

by実忠

「集光」実は、この話で作者は話を終わらせるつもりだったのですが、取材で高野参りをし、そこの宿坊でご住職の説法を聞いた時に「物語のラストシーン」が頭に浮かびあと50話位書く事に。

「田口三千媛」今では虐待と言われる育てられ方をされたと思います。訳を聞かされて納得しても、無理に許さなくてもいいのよ。

「弘仁格式」100年ぶりの法改正にとりかかる嵯峨帝。謎の美僧、泰範の師に対する本音。

平城上皇が会いたかった東大寺の重鎮、実忠の昔語り。前編。光明皇后に仕えた日々。

「光の時代、後」実忠の過去の話。

後半は道鏡事件の真相。

遊女真名井の人生の転機。家族との再会と共に恋人との別れを覚悟する。

「軛」

丹生のシリン姫の花占い。「来る、来ない。来る、来ない…来たあー!」

「灌頂」

死んで生まれ変わりたい気持ちで空海に会いに行った泰範。

最澄はんの「泰範、行かないでくれ」

の熱烈な文が歴史的資料として残っておます。

by空海


ぐすっ、ぐすっ…生きながら生まれ変わる事って出来るんやな…


by泰範

「信源氏」日本史最初の源氏、源信です。あのね、四さいの時にお家(宮中)から出されて明鏡お母様と離されてしまったの。


信源氏物語のはじまりはじまり〜。

高野の麓、天野の里に帰ってきたムラートです。妹の結婚式がゾロアスター教通りの儀式だと⁉️


天野わっしょい物語をお楽しみに。

嵯峨帝と正妻高津内親王との離婚の真相に迫る「高津退場」後宮サスペンス回。

橘嘉智子、立后のお話。

「わたくし、覚悟を決めました」

「常の白珠」

延暦十五年四月(796年5月)、日の本初の公然セクハラ&パワハラの記録でございます。

by明信

あの時は恥ずかしい思いさせてごめんよ…まだ怒ってる?

ねえ明信、こっち向いて(焦)

by桓武帝

お二人とも、犬も喰わない痴話喧嘩を板上でやらないで下さいまし。

by葛野麻呂

「わし、とうとう最澄はんと絶交する覚悟決めました」

空海を本気でブチギレさせた最澄の言動。


そして、高野山開基に向けて動き始める弟子たち。

「高野」

私ムラート、生まれも育ちも高野山でございます。このお山の自然の洗礼に遭う実叡と泰範。

高野を舐めちゃあいけねえよ。


なぜか寅さん口調。

「時鳥」

小野篁初登場回。そして、現世での役目を果たした巫女との別れ。

「落花宴」

民を食わせるために働いた藤原、葛野麻呂の最期。日ノ本初の茶事と花見の宴の記録。



「拠り処」

天皇皇后だってもふもふふくふくで癒されたい。徳一、東国に進出宣言。

「橘秀才」

「弘法も筆の誤り、って肝心な時に大ポカをやらかすって事なんだね」

古今随一の芸術家となった逸勢、空海にツッコミを入れる。

「シリン都に行く」

はーい、私は高野山の麓天野の里に住む主婦シリン。夫に下された辞令で子供たち連れて平安京へお引越しですって⁉️ドギマギしちゃう!

…って魔法少女みたいなあらすじ紹介でいいのかしら?

「篁」

ちーっす、小野篁でーす。僕の風評「なんだかすげえ奴」みたいに言われてるけど、嵯峨帝に出会った頃は脳筋の野生児でしたよ。

「一隅を照らす」

最澄、最期のことば。戒壇認可を遅らせた嵯峨帝の真意。


そして、たそがれ空海。



「進士篁」

ちーっす!篁っす!それでは一句。


竹の子(篁)が ドラゴン桜(三教指帰)で サクラサク


物語の主人公空海阿闍梨から僕に交代っす!

白秋の章、「嵯峨野」のはじまり。淳和帝即位。遡って嵯峨帝による黄櫨染御袍プロデュース秘話。

「正子と正良」

嵯峨上皇と嘉智子お母様の息子、正良(後の仁明帝)です。十四で結婚したお嫁さんが可愛過ぎてキュートなハートにズキンドキン!です。

「祈雨(きう)」

元服した源信信です。空海阿闍梨による伝説の雨降らしの祈祷の裏に蠢く大人たちの陰謀に、

うわあああ…

皆さんお久しぶり。田村麻呂です。平安初期の貴族たちは麻呂麻呂っなくて武士武士ってたんですよ。


ごきげんよう、小野篁です。

(官吏になったのでパシリ口調はやめました)

今回は私のルーツとソハヤ、シルベに隠された秘密が明かされる回です。

「在るがまま」

平城上皇の第三王子、高岳親王です。今回は父の最期の想いと私の出家の物語。


◯ウケンシルバーのモデルになった私の人生の出発でしたねえ。

「哀しい哉」

このエピソード書くために作者、高野山にお参りに行き智泉の御廟(お墓)に手を合わせました。

「天長二年の旅立ち」

久しぶりの金髪仏師ムラートです。東寺の立体曼荼羅完成秘話。あの時の空海さんは某劇作家か!って位ダメ出しして来て参りましたよ…


そしてラスト主要人物、在原業平初登場。

「夫人たちの夏」嵯峨帝の側室、藤原緒夏です。後宮で生きる憂鬱と高子さまとの友情の回。


「頭の冬嗣」

今年の◯河はやり過ぎちまった私の愚孫どものいざこざですが一人ちゃんと遺言を守った奴がいたようです。

「心の中の明王」

篁と徳一の出会い。東国にて。

空海と最澄を支援した破天荒僧侶、勤操の最期。さよならだけが人生や。

喫茶去(きっさこ)は禅語で「ま、茶でも一服」の意味。人生最後の対面を惜しむ主人公二人。

「光明」全ての務めを終えた空海の眠り。次回から次世代編へ。

「流人篁」百人一首で有名な「わたの原」から始まる篁の反骨最骨頂行動と流人生活。


ちゃっかり現地妻作ってました。

「落日」

葛野麻呂の息子で遣唐大使、藤原常嗣サイドの最後の遣唐使節の行程。


支援者の張宝高は新羅の海将で外交官で大商人。

この回のゲストは唐代の大文人。

「円仁の旅・使命」

どうも、遣唐使団からバックれた不法滞在僧侶の円仁(最澄の弟子)です。私の9年以上に及ぶ旅はいきなりホラーな展開から始まります。

実質、最後の遣唐使である円仁の旅の後編。空海より託された三つの遺言は果たしたものの武宗による仏教弾圧を受ける苦難の復路。オカルトな場面あり。

「胡蝶」

「胡蝶の夢」になぞらえた常嗣の帰国後の辛い立場と責任を感じる篁。二人とも苦しんだんだ。

「観月」

嵯峨上皇が家族たちにそして遥か未来の子孫に向けて述べた言葉。

人生最後の観月の宴。



「草木のままに」

我が夫、嵯峨天皇の最期。お休みなさい、あなた…


あと10話で完結です。

最終章「檀林」、それはカリスマ嵯峨天皇が去るのを待っていたかのように始まった粛正の嵐。

承和の変。三筆最後の一人逸勢の退場。

「繭」政変で息子、仁明帝の行いと本心を知った皇太后嘉智子の絶望。

「反骨の種子」政変の真相を知った篁の決意と、蹂躙される政変の敗者の家族たち。

昔男、と呼ばれたチャラいクズ。在原業平の奔放な恋の本心は…な回。

「椙山にて」この日、エミシの武人親子三代の真相が知らされ祖父の願いがシルベに託された。

「橋を架ける」

言葉を大事にして秩序を保つのも、言葉をぞんざいにしてこの世を地獄同然にするのも全て、人間の行いなのだと思います。


この国の教えの百年先を見越して禅僧を呼び寄せた国母、橘嘉智子。

「参議篁」

私の少年期から始まる篁四部作これにておしまい。良房の企みなんて知ったことかよ。

「襲撃」

日本初の警察機構である検非違使に務める下級役人、志留辺の人生の転機。

「桜」宮中編「一代限りの橘」の物語、これで終わりでございます。

この長い物語、次回の「平安時代」で完結です。



「平安時代」さてさて、ラストシーンで新しいバディが組まれ、彼らの本当の人生が始まります。


皆が知っている「平安時代」はこれから始まるのです。

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