第5話
文字数 1,406文字
「どうもー。今朝ぶりかしら?この地下施設、外の光が入ってこないからあんまり時間感覚とかないんだけど。」
彼女は、私を騙し、この地下施設に閉じ込めた、緑色の髪を肩の位置まで伸ばした、ローレル・スイートピーと名乗る少女は、私の目的地でもあった地下倉庫の前に居た。
「あ、貴方。どうやってここに……!?」
「?」
私はわざと、首を傾げて見せる。
何を言ってるのか分からないというように。
「貴方の跡を付けてきたのよ。気付かなかったの?付けられてることに。」
「そ、そんな馬鹿な!一体、どこから!?」
「あの牢屋からよ。貴方の顔が真っ青になって、走り出した時からずっと付けてたわよ。」
「嘘を付くな!?あの牢屋には、調教師の死体しか無かった!!お前の隠れる場所なんて無かった!」
「まあまあ。そんなこと、どうでもいいじゃない。貴方の後ろにある部屋、それが地下倉庫かしら?ちょっと入れてくれない?私の大事な刀があると思うんだけれど。」
「ふざけんじゃないわよ!?」
「だよねー。じゃあ、力づくで入るね。」
1歩、彼女との距離を詰める。
「ぐっ……!?」
更に1歩、2歩、3歩。
彼女との距離が詰まっていく。
「う、うううぅぅぅ!!」
そして、観念したかのように呟いた。
「私の、負けよ!!今、鍵を開けるから、命だけは助けて!!」
そう言って彼女は倉庫の鍵を開け始めた。
「ど、どうぞ!お待たせしました!」
「え?あ、どうも。」
負けを認めてからの豹変振りに、こちらが面食らってしまう。
倉庫の扉をくぐって直ぐのところに、私の刀があった。
「良かった!私の刀だわ!」
急いで刀に駆け寄る。
ガタン!ガチャガチャ。カチンッ!
扉を閉められ、外から鍵を掛けられてしまった。
「貴方ってホントに馬鹿ね!?この扉は内側からは開かないようになってるの!しかも鋼鉄製!!つまり!貴方はこの倉庫から脱出する事は不可能!!そのまま餓死するまで閉じ込めてやるわ!!ふふふ。あははははは!!」
「はぁ。また騙されたわ。貴方、奴隷商人なんかより詐欺師とかの方が向いてるんじゃない?」
「貴方が馬鹿過ぎるだけだと思うんだけど?ふふふ。どうかしら?敗北の味は?命乞いをするなら今の内よ?ま、聞いてあげないけど。お前はここで餓死するのよ!!」
「ふぅぅぅ…………。」
私は刀を構える。
呼吸を整える。
そして、
「リーヴァメルツ!!!」
一気に引き抜く。
「…………………………は???」
「柔らかいのね?鋼鉄製の扉って?」
周りの壁ごと扉を切り取り、その隙間から身体を出す。
脱出成功である。
「な、ななな、な!!何なのよその刀は!?どうして!?鋼鉄製の扉が、そんな簡単に!?」
「この刀はね、魔法道具なの。奴隷商人の貴方には縁のない物だから、知らなくても仕方ないのかな?」
この世界には、摩訶不思議な力を宿したアイテムが存在する。
それが魔法道具だ。
その数は非常に少ないため、都市伝説程度にしか認知されていない事がままあった。
「凄いでしょ?リーヴァメルツって名前なのよ、この刀。私の相棒なんだ。」
刀を鞘に戻しながら、私は言った。
「で、まだやるの?」
「っ!」
ローレルは口を開けたり閉じたりしている。
……なんだか金魚みたい。
やがて彼女は諦めたのか、力なく視線を落とした。
「私の負けよ。今度こそ。好きにしなさい。」
「そうね、それじゃまず、」
予め考えていた事を実行する事にする。
「奴隷市場を仕切ってる人のところに案内してくれないかしら?」
「は?」
彼女は、私を騙し、この地下施設に閉じ込めた、緑色の髪を肩の位置まで伸ばした、ローレル・スイートピーと名乗る少女は、私の目的地でもあった地下倉庫の前に居た。
「あ、貴方。どうやってここに……!?」
「?」
私はわざと、首を傾げて見せる。
何を言ってるのか分からないというように。
「貴方の跡を付けてきたのよ。気付かなかったの?付けられてることに。」
「そ、そんな馬鹿な!一体、どこから!?」
「あの牢屋からよ。貴方の顔が真っ青になって、走り出した時からずっと付けてたわよ。」
「嘘を付くな!?あの牢屋には、調教師の死体しか無かった!!お前の隠れる場所なんて無かった!」
「まあまあ。そんなこと、どうでもいいじゃない。貴方の後ろにある部屋、それが地下倉庫かしら?ちょっと入れてくれない?私の大事な刀があると思うんだけれど。」
「ふざけんじゃないわよ!?」
「だよねー。じゃあ、力づくで入るね。」
1歩、彼女との距離を詰める。
「ぐっ……!?」
更に1歩、2歩、3歩。
彼女との距離が詰まっていく。
「う、うううぅぅぅ!!」
そして、観念したかのように呟いた。
「私の、負けよ!!今、鍵を開けるから、命だけは助けて!!」
そう言って彼女は倉庫の鍵を開け始めた。
「ど、どうぞ!お待たせしました!」
「え?あ、どうも。」
負けを認めてからの豹変振りに、こちらが面食らってしまう。
倉庫の扉をくぐって直ぐのところに、私の刀があった。
「良かった!私の刀だわ!」
急いで刀に駆け寄る。
ガタン!ガチャガチャ。カチンッ!
扉を閉められ、外から鍵を掛けられてしまった。
「貴方ってホントに馬鹿ね!?この扉は内側からは開かないようになってるの!しかも鋼鉄製!!つまり!貴方はこの倉庫から脱出する事は不可能!!そのまま餓死するまで閉じ込めてやるわ!!ふふふ。あははははは!!」
「はぁ。また騙されたわ。貴方、奴隷商人なんかより詐欺師とかの方が向いてるんじゃない?」
「貴方が馬鹿過ぎるだけだと思うんだけど?ふふふ。どうかしら?敗北の味は?命乞いをするなら今の内よ?ま、聞いてあげないけど。お前はここで餓死するのよ!!」
「ふぅぅぅ…………。」
私は刀を構える。
呼吸を整える。
そして、
「リーヴァメルツ!!!」
一気に引き抜く。
「…………………………は???」
「柔らかいのね?鋼鉄製の扉って?」
周りの壁ごと扉を切り取り、その隙間から身体を出す。
脱出成功である。
「な、ななな、な!!何なのよその刀は!?どうして!?鋼鉄製の扉が、そんな簡単に!?」
「この刀はね、魔法道具なの。奴隷商人の貴方には縁のない物だから、知らなくても仕方ないのかな?」
この世界には、摩訶不思議な力を宿したアイテムが存在する。
それが魔法道具だ。
その数は非常に少ないため、都市伝説程度にしか認知されていない事がままあった。
「凄いでしょ?リーヴァメルツって名前なのよ、この刀。私の相棒なんだ。」
刀を鞘に戻しながら、私は言った。
「で、まだやるの?」
「っ!」
ローレルは口を開けたり閉じたりしている。
……なんだか金魚みたい。
やがて彼女は諦めたのか、力なく視線を落とした。
「私の負けよ。今度こそ。好きにしなさい。」
「そうね、それじゃまず、」
予め考えていた事を実行する事にする。
「奴隷市場を仕切ってる人のところに案内してくれないかしら?」
「は?」