第25話
文字数 1,510文字
私は校舎の中を駆けていた。
校舎前の庭で氷の魔女とリブが戦っている。
その隙をついて、校舎の中に潜り込んだ。
中は魔法使い養成学校と言われるだけあり、様々な魔法道具らしきものが置かれてある。
とりあえず、他の魔法使いを探す必要がある。
少なくとも、リブが魔女を倒すまでは、この学校の中から出す訳にはいかない。
不意の遭遇に備え、リブに見繕ってもらった魔法道具を握りしめながら、学校内の各教室や職員室、保健室など、しらみ潰しに探していく。
「この学校、広すぎじゃないかしら……。」
学校内の教室等を1つずつ調べていては、朝になってしまうだろう。
「うーん。あの電気の老人が、魔力を回復させる前に見つけたかったんだけど……。」
「残念じゃな。全開ではないが、ある程度は回復しておるよ?」
後ろから声が聴こえた。
慌てて振り返ると、杖を付いた老人が廊下の向こうに居た。
「電撃の魔人……!!」
「お主は、ふむ。雑魚中の雑魚じゃな。魔力を微塵も感じない。」
老人は続ける。
「しかし、ここまで1人で来る胆力は認めよう。己を改め、魔法使いとして生きるというのなら、見逃してやらんでもない。どうじゃ?」
私が魔法使い?
「ふふふ。いくらなんでも、似合わなさ過ぎるわね。リブから聞いたわ。貴方、魔法使いの国を作りたいんですって?」
この老人を、私に釘付けにする。
氷の魔女とは合流させない為に。
息を吸う。
これは宣戦布告だ。
「ばっかじゃないの??貴方みたいな小物に、国なんて作れるわけないでしょうが!?頭おかしいわよ?クソジジイ!!」
そう言って、私は老人とは逆方向に全力疾走する。
とりあえず距離を取る!
あの老人は身体を電気体に出来る。
とはいえ、その魔力消費は大きいはずだ。
全開ではないと本人が言っていた。
狙うは魔力切れのみだ。
「逃がすと思ってるのかね?」
バチチッ!
そんな電気の弾ける音が聴こえたと思った時、既に老人が目の前に居た。
「!」
バチチチチッ!!
辺り一帯に電流の光が飛び散った。
電撃の魔人の異名は伊達ではないと、知らしめられた。
光が収まった時、視界に入る全てが黒焦げになっている。
私の周りを除いて……。
小さな箱の様な道具に、ボタンが1つ付いてるだけの、見た目だけなら子供の玩具にしか見えない様な魔法道具だった。
そのボタンを押すと、自分の周り全方位を囲む様に、魔法から身を守ってくれるシールドの様なものが現れる。
この魔法道具の名前は、たしか……
「魔法反射フィールド展開装置……か。……やれやれ、これだから貴様らゴミどもは救えないのじゃ。」
老人は心底、こちらを見下した目をしている。
言葉通り、道端のゴミでも見るような目だ……。
「我々魔法使いの努力の結晶とも言える魔法道具を、何の努力もしておらん貴様の様なゴミが、我が物顔で、得意気に、意気揚々と、受納する。……虫唾が走るわ。」
私を守っていたフィールドが、消えていく。
リブはこの魔法道具の効果時間は10秒程度だと言っていた。
もう、効果時間という事か。
私は一目散に駆け出した。
「逃げ道はないぞ?この学校に足を踏み込んだ時点でな。」
ゆっくりと、老人が杖を付きながら追ってくる。
時折電気体になり、高速移動を行いながら。
私が、複数の魔法反射なんとかを所持していると推測したからだろうか。
追撃の手は緩い。
老人はこちらに、定期的に電撃の槍を浴びせてくるだけだ。
もっとも、老人にとっては魔力を節約した、簡単な攻撃なのだろうが、こちらからすれば電撃など、大きかろうが小さかろうが必殺だ。
老人が電撃を飛ばす度に、私は魔力反射なんとかを発動させる。
フィールドを身にまといながら、必死に走った。
「うわああああああ!!」
「無駄じゃと言っておろうが。」
校舎前の庭で氷の魔女とリブが戦っている。
その隙をついて、校舎の中に潜り込んだ。
中は魔法使い養成学校と言われるだけあり、様々な魔法道具らしきものが置かれてある。
とりあえず、他の魔法使いを探す必要がある。
少なくとも、リブが魔女を倒すまでは、この学校の中から出す訳にはいかない。
不意の遭遇に備え、リブに見繕ってもらった魔法道具を握りしめながら、学校内の各教室や職員室、保健室など、しらみ潰しに探していく。
「この学校、広すぎじゃないかしら……。」
学校内の教室等を1つずつ調べていては、朝になってしまうだろう。
「うーん。あの電気の老人が、魔力を回復させる前に見つけたかったんだけど……。」
「残念じゃな。全開ではないが、ある程度は回復しておるよ?」
後ろから声が聴こえた。
慌てて振り返ると、杖を付いた老人が廊下の向こうに居た。
「電撃の魔人……!!」
「お主は、ふむ。雑魚中の雑魚じゃな。魔力を微塵も感じない。」
老人は続ける。
「しかし、ここまで1人で来る胆力は認めよう。己を改め、魔法使いとして生きるというのなら、見逃してやらんでもない。どうじゃ?」
私が魔法使い?
「ふふふ。いくらなんでも、似合わなさ過ぎるわね。リブから聞いたわ。貴方、魔法使いの国を作りたいんですって?」
この老人を、私に釘付けにする。
氷の魔女とは合流させない為に。
息を吸う。
これは宣戦布告だ。
「ばっかじゃないの??貴方みたいな小物に、国なんて作れるわけないでしょうが!?頭おかしいわよ?クソジジイ!!」
そう言って、私は老人とは逆方向に全力疾走する。
とりあえず距離を取る!
あの老人は身体を電気体に出来る。
とはいえ、その魔力消費は大きいはずだ。
全開ではないと本人が言っていた。
狙うは魔力切れのみだ。
「逃がすと思ってるのかね?」
バチチッ!
そんな電気の弾ける音が聴こえたと思った時、既に老人が目の前に居た。
「!」
バチチチチッ!!
辺り一帯に電流の光が飛び散った。
電撃の魔人の異名は伊達ではないと、知らしめられた。
光が収まった時、視界に入る全てが黒焦げになっている。
私の周りを除いて……。
小さな箱の様な道具に、ボタンが1つ付いてるだけの、見た目だけなら子供の玩具にしか見えない様な魔法道具だった。
そのボタンを押すと、自分の周り全方位を囲む様に、魔法から身を守ってくれるシールドの様なものが現れる。
この魔法道具の名前は、たしか……
「魔法反射フィールド展開装置……か。……やれやれ、これだから貴様らゴミどもは救えないのじゃ。」
老人は心底、こちらを見下した目をしている。
言葉通り、道端のゴミでも見るような目だ……。
「我々魔法使いの努力の結晶とも言える魔法道具を、何の努力もしておらん貴様の様なゴミが、我が物顔で、得意気に、意気揚々と、受納する。……虫唾が走るわ。」
私を守っていたフィールドが、消えていく。
リブはこの魔法道具の効果時間は10秒程度だと言っていた。
もう、効果時間という事か。
私は一目散に駆け出した。
「逃げ道はないぞ?この学校に足を踏み込んだ時点でな。」
ゆっくりと、老人が杖を付きながら追ってくる。
時折電気体になり、高速移動を行いながら。
私が、複数の魔法反射なんとかを所持していると推測したからだろうか。
追撃の手は緩い。
老人はこちらに、定期的に電撃の槍を浴びせてくるだけだ。
もっとも、老人にとっては魔力を節約した、簡単な攻撃なのだろうが、こちらからすれば電撃など、大きかろうが小さかろうが必殺だ。
老人が電撃を飛ばす度に、私は魔力反射なんとかを発動させる。
フィールドを身にまといながら、必死に走った。
「うわああああああ!!」
「無駄じゃと言っておろうが。」