第10話
文字数 1,494文字
ラクダ便から降り、少し歩いたところに大きな門がそびえ立っていた。
そこをくぐると、非常に栄えた大きな街並みが広がっている。
「やっと着いた……。ここが、中央都市セントラル……。」
ローレルが呟いている。
「ローレルはここに来るのは初めて?」
「ええ。初めてよ。今までは仕事で忙しかったから、奴隷バザールから出る事は殆どなかったの!」
少々興奮気味に、ローレルは答えた。
「そう。あのバザールとは違って、ここは本当になんでもあるし、気候も過ごしやすいから移住するにはオススメよ。」
近くにある宿の場所を、ローレルに簡単に教えてあげた。
「じゃ、私は行くわね。これからは全うに生きるのよ?達者でね。」
「えっ!?なんでよリブ!一緒に行動しましょうよ!」
「え゛っ??」
奴隷バザールからこの中央都市セントラルに到着するまで、2日ほど要した。
その間、この女と行動を共にしたのだが…………。
「貴方みたいなクズと一緒はちょっと……。」
「なんで!?」
まず道中、ラクダ便の道案内係の人が居るのだが、その人に理不尽な物言いをし続けていた。
お金ならいくらでもあるからもっと早く移動しなさい!私はお客様よ!お客様は神様でしょうが!あと喉が乾いたわ!美味しいジュースを用意しなさい!は?無い?何なの貴方達は!この能無し!役立たず!私は元々奴隷商人だったのよ!?その気になれば貴方なんて直ぐに奴隷にしてやれちゃうのよ!?分かったら私の言うことを聞きなさい!!
という感じだ。
彼女が癇癪を起こす度に、案内係や他のラクダ便利用客に謝り倒していたのだ。
おかげで、道中肩身が狭い事、狭い事……。
それだけではない。
道中、ラクダの上で暴れたせいでラクダが怪我をしたり、他の客を脅して食料を奪おうとしたり……。
彼女の問題行動を挙げ始めるとキリがない。
「やっぱり早めのうちに斬っとくんだったわこんな奴……。」
「そんな事言わないでよ!私達、友達でしょ??」
友達……!!
い、いやダメだ!
こんな甘言に騙されてはいけない!
このクズ女は既に私の弱点を理解しているのだ。
心にも無い事を平然と言ってのける。
ラクダ便の道中、自分の行った悪行を、全部私のせいにして擦り付けようとしてきた事もあった。
この女は信用してはいけない。
そう、頭では理解しているのだが……
「私達、友達だよね?」
「うぐっ……!」
頭では理解していても、心が制御出来ない。
「そ、そうよね!私達、友達だものね!仕方ないわね!ちょっとの間だけなら、一緒に行動してあげるわよ!」
「やっぱりチョロい。」
「なんて?」
「何でもないわよぉ!いやぁ、頼もしいボディガード……じゃなくて、信頼出来る友達が傍にいてくれて頼もしいわ!ふふふ。」
何はともあれ、である。
「とりあえず冒険者ギルドに行きたいのだけれど、いいかしら?」
「冒険者ギルド?あ、そういえばこの前、言ってたわね。私は賞金首ハンターだ!って。その関係?」
「そうよ。今からこの前狩った賞金首の報酬を受け取りに行くのよ。」
「へー!いつの間に賞金首なんて倒してたの?」
「あの奴隷バザールに行く前よ。帰り道だったの。」
「なるほど。何を倒したの?」
「砂漠イエティ。」
「…………ん??」
「砂漠イエティよ。そこそこ有名だと思うんだけど。知らない?」
「いやいやいや!そりゃ勿論知ってるわよ!砂漠イエティと言えば、あの奴隷バザールから更に奥の、巨大洞窟に生息してる巨大な猿でしょ?たまに洞窟から抜け出した砂漠イエティに、行商人が襲われて壊滅する話を聞いてたもの!……そんなのを倒したの?1人で??」
「斬り心地はまあまあ良かったわよ。やっぱり人に近いからかな?」
「お、恐ろしい……。」
そこをくぐると、非常に栄えた大きな街並みが広がっている。
「やっと着いた……。ここが、中央都市セントラル……。」
ローレルが呟いている。
「ローレルはここに来るのは初めて?」
「ええ。初めてよ。今までは仕事で忙しかったから、奴隷バザールから出る事は殆どなかったの!」
少々興奮気味に、ローレルは答えた。
「そう。あのバザールとは違って、ここは本当になんでもあるし、気候も過ごしやすいから移住するにはオススメよ。」
近くにある宿の場所を、ローレルに簡単に教えてあげた。
「じゃ、私は行くわね。これからは全うに生きるのよ?達者でね。」
「えっ!?なんでよリブ!一緒に行動しましょうよ!」
「え゛っ??」
奴隷バザールからこの中央都市セントラルに到着するまで、2日ほど要した。
その間、この女と行動を共にしたのだが…………。
「貴方みたいなクズと一緒はちょっと……。」
「なんで!?」
まず道中、ラクダ便の道案内係の人が居るのだが、その人に理不尽な物言いをし続けていた。
お金ならいくらでもあるからもっと早く移動しなさい!私はお客様よ!お客様は神様でしょうが!あと喉が乾いたわ!美味しいジュースを用意しなさい!は?無い?何なの貴方達は!この能無し!役立たず!私は元々奴隷商人だったのよ!?その気になれば貴方なんて直ぐに奴隷にしてやれちゃうのよ!?分かったら私の言うことを聞きなさい!!
という感じだ。
彼女が癇癪を起こす度に、案内係や他のラクダ便利用客に謝り倒していたのだ。
おかげで、道中肩身が狭い事、狭い事……。
それだけではない。
道中、ラクダの上で暴れたせいでラクダが怪我をしたり、他の客を脅して食料を奪おうとしたり……。
彼女の問題行動を挙げ始めるとキリがない。
「やっぱり早めのうちに斬っとくんだったわこんな奴……。」
「そんな事言わないでよ!私達、友達でしょ??」
友達……!!
い、いやダメだ!
こんな甘言に騙されてはいけない!
このクズ女は既に私の弱点を理解しているのだ。
心にも無い事を平然と言ってのける。
ラクダ便の道中、自分の行った悪行を、全部私のせいにして擦り付けようとしてきた事もあった。
この女は信用してはいけない。
そう、頭では理解しているのだが……
「私達、友達だよね?」
「うぐっ……!」
頭では理解していても、心が制御出来ない。
「そ、そうよね!私達、友達だものね!仕方ないわね!ちょっとの間だけなら、一緒に行動してあげるわよ!」
「やっぱりチョロい。」
「なんて?」
「何でもないわよぉ!いやぁ、頼もしいボディガード……じゃなくて、信頼出来る友達が傍にいてくれて頼もしいわ!ふふふ。」
何はともあれ、である。
「とりあえず冒険者ギルドに行きたいのだけれど、いいかしら?」
「冒険者ギルド?あ、そういえばこの前、言ってたわね。私は賞金首ハンターだ!って。その関係?」
「そうよ。今からこの前狩った賞金首の報酬を受け取りに行くのよ。」
「へー!いつの間に賞金首なんて倒してたの?」
「あの奴隷バザールに行く前よ。帰り道だったの。」
「なるほど。何を倒したの?」
「砂漠イエティ。」
「…………ん??」
「砂漠イエティよ。そこそこ有名だと思うんだけど。知らない?」
「いやいやいや!そりゃ勿論知ってるわよ!砂漠イエティと言えば、あの奴隷バザールから更に奥の、巨大洞窟に生息してる巨大な猿でしょ?たまに洞窟から抜け出した砂漠イエティに、行商人が襲われて壊滅する話を聞いてたもの!……そんなのを倒したの?1人で??」
「斬り心地はまあまあ良かったわよ。やっぱり人に近いからかな?」
「お、恐ろしい……。」