第22話
文字数 1,188文字
何とかリブの協力を得ることに成功した。
本当は彼女の事を心配しているフリをして、恩を売るつもりだったのだが……まあ、結果が同じなので何でも良かった。
リブと私は、近くにあった雑貨店のようなお店で商品を物色していた。
お店ではあるはずなのだが、中は無人であった。……店員はおろか、一般客すら居ない。
この街に来てからずっとそうだが、何故人が誰も居ないのだろうか。
「ねえ、リブ?ここは何のお店なの?」
「魔法道具店よ。何かしら、戦力になる武器でもあればと思ってね。」
「ふーん。」
魔法道具……か。
「これは何かしら?」
魔法道具が並んだ棚から、球体の形をしたものを取り出す。
「それは魔力爆弾ね。落としたら大惨事よ。気を付けてね。」
爆弾ですって!?
なんてモノを置いているのだこの店は……。
そういえば、彼女の武器……大太刀だったかしら?……も、魔法道具だと彼女が言っていたはずだ。
「そんなに魔法道具をいっぱい持っていくつもりなの?」
「何言ってるのよ。これは貴方が使うのよ?」
「えっ??」
な、なんで私が……?
「私は魔法使い共を各個撃破したい。でも、相手からしたらそれは避けたいでしょうからね。私が魔法使いの内1人と戦っている間、貴方が他の魔法使いの時間稼ぎをして欲しいのよ。」
要するに囮だった。
「そ、そんなの無理に決まってるじゃない!」
「やるのよ。戦うと決めた以上、他の選択肢なんてないわよ?あんたに。」
な、なんてこった。
後ろの方で、リブのサポートをちょこっとしてるだけのつもりだったのに。
まさかそんな危険な役回りを任させるだなんて。
「あ、これなんか役立ちそうね。」
そう言ってリブは、こちらに魔法道具を放り投げてきたので受け取る。
「これ、何かしら?」
「簡易型魔法反射フィールド展開装置。」
「???」
私は首を傾げる。
「それを使えば、自分の周りに魔法を跳ね返せる壁みたいなモノを設置出来るわ。効果時間は……10秒ってとこかしら。」
リブは大量の簡易魔法反射なんとかを見繕い、私に渡してくる。
「まあ、こんだけあれば時間稼ぎくらいならなんとでもなるでしょ。」
「多過ぎない?ていうか、これお金どうするのよ?店員さんも居ないし、どうやって払うつもりなの?」
ドンッ。
リブは、レジだと思われるカウンターに、ゼニーの入った巾着袋を放り投げていた。
「こんだけあれば足りるでしょ。」
「そ、それってこの前冒険者ギルドで受け取ってた砂漠イエティの討伐報酬じゃ……?」
「さ、準備も出来た事だし、アイツらが居るって言ってた、魔法使い養成学校に乗り込むわよ!」
「はぁ。こうなりゃ、ヤケね。いざとなったらリブ、ちゃんと私を護ってよね?」
リブの実力は本物だ。
だからこそ、彼女に付いて行くと決めたのだ。
「アハハ。まあ、考えといてあげるわ。」
不安はある。
だが、隣を歩く赤いツインテールさえ居れば、万事上手くいく。
そんな気しかしないのだった……。
本当は彼女の事を心配しているフリをして、恩を売るつもりだったのだが……まあ、結果が同じなので何でも良かった。
リブと私は、近くにあった雑貨店のようなお店で商品を物色していた。
お店ではあるはずなのだが、中は無人であった。……店員はおろか、一般客すら居ない。
この街に来てからずっとそうだが、何故人が誰も居ないのだろうか。
「ねえ、リブ?ここは何のお店なの?」
「魔法道具店よ。何かしら、戦力になる武器でもあればと思ってね。」
「ふーん。」
魔法道具……か。
「これは何かしら?」
魔法道具が並んだ棚から、球体の形をしたものを取り出す。
「それは魔力爆弾ね。落としたら大惨事よ。気を付けてね。」
爆弾ですって!?
なんてモノを置いているのだこの店は……。
そういえば、彼女の武器……大太刀だったかしら?……も、魔法道具だと彼女が言っていたはずだ。
「そんなに魔法道具をいっぱい持っていくつもりなの?」
「何言ってるのよ。これは貴方が使うのよ?」
「えっ??」
な、なんで私が……?
「私は魔法使い共を各個撃破したい。でも、相手からしたらそれは避けたいでしょうからね。私が魔法使いの内1人と戦っている間、貴方が他の魔法使いの時間稼ぎをして欲しいのよ。」
要するに囮だった。
「そ、そんなの無理に決まってるじゃない!」
「やるのよ。戦うと決めた以上、他の選択肢なんてないわよ?あんたに。」
な、なんてこった。
後ろの方で、リブのサポートをちょこっとしてるだけのつもりだったのに。
まさかそんな危険な役回りを任させるだなんて。
「あ、これなんか役立ちそうね。」
そう言ってリブは、こちらに魔法道具を放り投げてきたので受け取る。
「これ、何かしら?」
「簡易型魔法反射フィールド展開装置。」
「???」
私は首を傾げる。
「それを使えば、自分の周りに魔法を跳ね返せる壁みたいなモノを設置出来るわ。効果時間は……10秒ってとこかしら。」
リブは大量の簡易魔法反射なんとかを見繕い、私に渡してくる。
「まあ、こんだけあれば時間稼ぎくらいならなんとでもなるでしょ。」
「多過ぎない?ていうか、これお金どうするのよ?店員さんも居ないし、どうやって払うつもりなの?」
ドンッ。
リブは、レジだと思われるカウンターに、ゼニーの入った巾着袋を放り投げていた。
「こんだけあれば足りるでしょ。」
「そ、それってこの前冒険者ギルドで受け取ってた砂漠イエティの討伐報酬じゃ……?」
「さ、準備も出来た事だし、アイツらが居るって言ってた、魔法使い養成学校に乗り込むわよ!」
「はぁ。こうなりゃ、ヤケね。いざとなったらリブ、ちゃんと私を護ってよね?」
リブの実力は本物だ。
だからこそ、彼女に付いて行くと決めたのだ。
「アハハ。まあ、考えといてあげるわ。」
不安はある。
だが、隣を歩く赤いツインテールさえ居れば、万事上手くいく。
そんな気しかしないのだった……。