第32話
文字数 1,332文字
どうするべきか、考える。
相手は100人余り。
その内の非魔法使い達は、銃とかいうとんでも兵器を持っている。
さらに、魔法反射フィールド……これが最も厄介だ。
私の身体は魔法で成り立っている。
あのフィールドに触れると、全身が溶け散ってしまうだろう。
対して、こちらの戦力は……
「ねぇ、エリシアちゃんだったかしら?あと、爆炎暴君さん?」
「俺はボルグだ。」
「ボルグさん。私はどうすべきだと思う?」
「知らねえよ。好きにしろや。俺はそうする。」
氷の魔女はふらふらと立ち上がりながら言う。
「私も好きにさせてもらうね。あのクソジジイ共は、両親の仇なんだぁ。刺し違えてでも、絶対に殺す。」
2人とも、この魔法使い軍団とやる気満々のようだ。
ローレルは……
「私!?無理無理!無理よ私は今すぐ逃げちゃう!!じゃあねリブ!無事を祈ってるわ!!」
1人で逃げて行ってしまった。
「あの緑髪の娘は賢い。この戦力差。どう足掻いても覆す事は出来ない。」
「それほどの戦力があるのなら、なんで今まで隠れてたのかしら?」
「君は魔法使いを知らなさ過ぎるようだ。そこの2人と、今は居ない電撃の魔人が本気を出せば、このマナランドを半壊させることも出来るほどの戦闘力があるのだよ。そのケルベロス幹部の内、1人は死に、1人は腕が片方無くなり弱っている。これは好機なのだよ。ケルベロスを一掃する、な。」
手を焼いていたケルベロスが弱っている今がチャンス、という事かしら。
ともかく、あの魔法反射フィールド展開装置がある限り、私達に攻撃手段はない。
ボルグは魔法をかき消されていた。
氷の魔女は、片腕を失っている。
私に至っては、あのフィールドに触れることすら出来ない。
戦う選択肢を取るのは、無謀だ。
そもそも、氷の魔女を庇う理由がどこにある?
私達はさっき、初めて顔を合わせたのだ。
それも、倒すべき敵として。
「リブお姉さん?」
氷の魔女は、こちらに向かって言う。
「貴方には関係ない事だから。逃げた方がいいよ。」
「……。」
さっきまで涙を流しながら戦っていた少女は、今度は凍りつくほど冷たい瞳をしていた。
なんというか、もう、あれだ。
「イライラしてきたわ。」
その場にいる全員がこちらに目を向けた。
「なんなのよあんた達は。寄って集ってこんな小さい娘を虐めるみたいな事して。」
「腕を斬ったのはリブお姉さんなんだけど。」
無視をする。
「白髭のお爺さん?なんというか、どうにも貴方は善人に見えないのよね。」
「だったらなんだね?」
「ボルグさんの助言に従う事にするわ。」
「あ?助言なんかした覚えねぇよ。」
私の、好きにする事に決めたのだ。
この魔法都市マナランドには、何をしに来たのだ?
ケルベロスを討伐しに来たのか?
いや、違う。
私の目的は、いつだって一つだ。
「あんた達全員、ぶった斬ってやるって言ってんのよ!!かかってこいやぁ!!」
全てだ。
斬ってしまおう。
細かい事は、それから考える事にする。
「はぁぁ。」
厳かな老人はため息を付く。
「腕は立つようだが、やはり子供か。この魔法反射フィールド展開装置がある限り、魔法は通じない。君のような子供に、何が出来るというのかね?」
老人が片手を上げる。
取り巻き達が、銃を構える。
「……撃ち殺せ。」
パンッ!!
パンッ!!
銃声が鳴り響いた。
相手は100人余り。
その内の非魔法使い達は、銃とかいうとんでも兵器を持っている。
さらに、魔法反射フィールド……これが最も厄介だ。
私の身体は魔法で成り立っている。
あのフィールドに触れると、全身が溶け散ってしまうだろう。
対して、こちらの戦力は……
「ねぇ、エリシアちゃんだったかしら?あと、爆炎暴君さん?」
「俺はボルグだ。」
「ボルグさん。私はどうすべきだと思う?」
「知らねえよ。好きにしろや。俺はそうする。」
氷の魔女はふらふらと立ち上がりながら言う。
「私も好きにさせてもらうね。あのクソジジイ共は、両親の仇なんだぁ。刺し違えてでも、絶対に殺す。」
2人とも、この魔法使い軍団とやる気満々のようだ。
ローレルは……
「私!?無理無理!無理よ私は今すぐ逃げちゃう!!じゃあねリブ!無事を祈ってるわ!!」
1人で逃げて行ってしまった。
「あの緑髪の娘は賢い。この戦力差。どう足掻いても覆す事は出来ない。」
「それほどの戦力があるのなら、なんで今まで隠れてたのかしら?」
「君は魔法使いを知らなさ過ぎるようだ。そこの2人と、今は居ない電撃の魔人が本気を出せば、このマナランドを半壊させることも出来るほどの戦闘力があるのだよ。そのケルベロス幹部の内、1人は死に、1人は腕が片方無くなり弱っている。これは好機なのだよ。ケルベロスを一掃する、な。」
手を焼いていたケルベロスが弱っている今がチャンス、という事かしら。
ともかく、あの魔法反射フィールド展開装置がある限り、私達に攻撃手段はない。
ボルグは魔法をかき消されていた。
氷の魔女は、片腕を失っている。
私に至っては、あのフィールドに触れることすら出来ない。
戦う選択肢を取るのは、無謀だ。
そもそも、氷の魔女を庇う理由がどこにある?
私達はさっき、初めて顔を合わせたのだ。
それも、倒すべき敵として。
「リブお姉さん?」
氷の魔女は、こちらに向かって言う。
「貴方には関係ない事だから。逃げた方がいいよ。」
「……。」
さっきまで涙を流しながら戦っていた少女は、今度は凍りつくほど冷たい瞳をしていた。
なんというか、もう、あれだ。
「イライラしてきたわ。」
その場にいる全員がこちらに目を向けた。
「なんなのよあんた達は。寄って集ってこんな小さい娘を虐めるみたいな事して。」
「腕を斬ったのはリブお姉さんなんだけど。」
無視をする。
「白髭のお爺さん?なんというか、どうにも貴方は善人に見えないのよね。」
「だったらなんだね?」
「ボルグさんの助言に従う事にするわ。」
「あ?助言なんかした覚えねぇよ。」
私の、好きにする事に決めたのだ。
この魔法都市マナランドには、何をしに来たのだ?
ケルベロスを討伐しに来たのか?
いや、違う。
私の目的は、いつだって一つだ。
「あんた達全員、ぶった斬ってやるって言ってんのよ!!かかってこいやぁ!!」
全てだ。
斬ってしまおう。
細かい事は、それから考える事にする。
「はぁぁ。」
厳かな老人はため息を付く。
「腕は立つようだが、やはり子供か。この魔法反射フィールド展開装置がある限り、魔法は通じない。君のような子供に、何が出来るというのかね?」
老人が片手を上げる。
取り巻き達が、銃を構える。
「……撃ち殺せ。」
パンッ!!
パンッ!!
銃声が鳴り響いた。