第13話
文字数 1,329文字
「ん、うぅん。」
脱力仕切った身体に、魔法をかけていく。
頭、首、胸、肩、腕、腹、腰、脚。
いつも通りの順番で、身体を自分に整えていく。
「よいしょ。」
バケツから整え終わった身体を出す。
「ふう、気持ちのいい朝ね。」
疲れが溜まっていたのだろう。
随分と長時間眠っていたようだ。
ぐっすりと熟睡出来たおかげで気分が良かった。
「あら?ローレル?そんなところで何して……??」
部屋の隅にローレルの姿があった。
だが、何か様子がおかしい。
まず、下着姿であった。
「……何してるの、あんた?」
「…………。」
ローレルは魂でも抜けているのか、こちらの呼びかけにも微動だにせず、脚を抱えたまま座り込み、壁に寄りかかっている。
「おーい。ローレル?聞こえてる?」
「……あ、リブ……。おはよう……。」
明らかに元気が無い。
何かあったというのは、想像に難くない。
「おはよう。下着一丁であんた、何してるの?」
「あ、あああ…………。」
ローレルは頭を抱え出した。
なんなら半分泣いていた。
「ちょっとローレル、本当にどうしたの?何があったの?」
「リ、リブぅ……!!」
ローレルに近づく。
すると彼女は私にしがみついて、本格的に泣き始めた。
「うわあああん!!リブううう!!」
あのローレルがこれ程取り乱すなんて。
相当大変な目にあったのだろう。
「落ち着いてローレル。大丈夫よ。ほら、安心して。ここは私の家よ?危険な事なんて何も無いわよ。」
「う、ううう。」
やがてローレルは、落ち着き始めた。
「リブぅぅ!!私達、友達よねぇ!?」
「ええ、私達は友達よ。だからほら、泣かないで。」
「リブ、その、あのね?お願いがあるの……!」
「うん、いいわよ。聞いてあげる。何かしら?」
「お金貸してくれない?」
「…………うん?」
「実は昨日、リブが寝てからね!寝具を買いに行ったのよ!そしたらね!カジノの前を通ったからね!ちょっと貯金を増やしてやろうと思ってね!そしたらね!お金全部スっちゃったのよぉ!」
「…………。」
「しかもね!このままじゃ終われないと思ったからね!借金したんだけどね!全部負けちゃったのよぉ!借金のカタで服も取り上げられちゃったし!!私これからどうやって生きていけばいいの!?助けてリブぅぅぅぅ!!」
「……………………。」
「ちょっとリブ!なんで引き剥がそうとするのよ!私達、友達じゃない!?お金くらい貸してよ!!」
「誰ですか貴方?知らない人が何で私の家にいるのかしら?早く出ていってくれない?」
「お願いしますリブ様ぁぁ!!一生貴方の下僕になりますからぁ!!忠誠を誓うからぁ!!」
「そんなもんいらないわよ!ちょ、この!離れろ!!」
「死んでも離さない!お金貸してくれるまで絶対によ!!」
このクズ女が!!
アホと揉み合いの喧嘩をしている最中であった。
コンッコンッ。
家の扉をノックする音が鳴った。
そのまま扉が開いていく。
「リブさんおはようございます!冒険者ギルドのアルドです!リブさんの御希望に添えそうな、賞金首の情報が入りましたので、紹介に……って、きゃあああ!!リブさんに半裸の女が絡みついている!?」
「アルドさんちょうど良かったわ!今からこのアホ女をこの家から追い出すの!手伝ってちょうだい!」
「リブ様ああ!!何卒ご慈悲をおおお!!」
脱力仕切った身体に、魔法をかけていく。
頭、首、胸、肩、腕、腹、腰、脚。
いつも通りの順番で、身体を自分に整えていく。
「よいしょ。」
バケツから整え終わった身体を出す。
「ふう、気持ちのいい朝ね。」
疲れが溜まっていたのだろう。
随分と長時間眠っていたようだ。
ぐっすりと熟睡出来たおかげで気分が良かった。
「あら?ローレル?そんなところで何して……??」
部屋の隅にローレルの姿があった。
だが、何か様子がおかしい。
まず、下着姿であった。
「……何してるの、あんた?」
「…………。」
ローレルは魂でも抜けているのか、こちらの呼びかけにも微動だにせず、脚を抱えたまま座り込み、壁に寄りかかっている。
「おーい。ローレル?聞こえてる?」
「……あ、リブ……。おはよう……。」
明らかに元気が無い。
何かあったというのは、想像に難くない。
「おはよう。下着一丁であんた、何してるの?」
「あ、あああ…………。」
ローレルは頭を抱え出した。
なんなら半分泣いていた。
「ちょっとローレル、本当にどうしたの?何があったの?」
「リ、リブぅ……!!」
ローレルに近づく。
すると彼女は私にしがみついて、本格的に泣き始めた。
「うわあああん!!リブううう!!」
あのローレルがこれ程取り乱すなんて。
相当大変な目にあったのだろう。
「落ち着いてローレル。大丈夫よ。ほら、安心して。ここは私の家よ?危険な事なんて何も無いわよ。」
「う、ううう。」
やがてローレルは、落ち着き始めた。
「リブぅぅ!!私達、友達よねぇ!?」
「ええ、私達は友達よ。だからほら、泣かないで。」
「リブ、その、あのね?お願いがあるの……!」
「うん、いいわよ。聞いてあげる。何かしら?」
「お金貸してくれない?」
「…………うん?」
「実は昨日、リブが寝てからね!寝具を買いに行ったのよ!そしたらね!カジノの前を通ったからね!ちょっと貯金を増やしてやろうと思ってね!そしたらね!お金全部スっちゃったのよぉ!」
「…………。」
「しかもね!このままじゃ終われないと思ったからね!借金したんだけどね!全部負けちゃったのよぉ!借金のカタで服も取り上げられちゃったし!!私これからどうやって生きていけばいいの!?助けてリブぅぅぅぅ!!」
「……………………。」
「ちょっとリブ!なんで引き剥がそうとするのよ!私達、友達じゃない!?お金くらい貸してよ!!」
「誰ですか貴方?知らない人が何で私の家にいるのかしら?早く出ていってくれない?」
「お願いしますリブ様ぁぁ!!一生貴方の下僕になりますからぁ!!忠誠を誓うからぁ!!」
「そんなもんいらないわよ!ちょ、この!離れろ!!」
「死んでも離さない!お金貸してくれるまで絶対によ!!」
このクズ女が!!
アホと揉み合いの喧嘩をしている最中であった。
コンッコンッ。
家の扉をノックする音が鳴った。
そのまま扉が開いていく。
「リブさんおはようございます!冒険者ギルドのアルドです!リブさんの御希望に添えそうな、賞金首の情報が入りましたので、紹介に……って、きゃあああ!!リブさんに半裸の女が絡みついている!?」
「アルドさんちょうど良かったわ!今からこのアホ女をこの家から追い出すの!手伝ってちょうだい!」
「リブ様ああ!!何卒ご慈悲をおおお!!」